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BladeRunnerFaqJ - ブレードランナー FAQ 日本版 2.5J (2007年 9 月)

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ブレードランナー FAQ 日本版 2.5J (2007年 9 月)

重要なお知らせ

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ファイナル・カットの日本劇場公開決定!! →BladeRunner (2007-10-04)

日本版序文

クレジット

題名:ブレードランナー FAQ 日本版 2.5J (2007 年 9 月)

原本:BLADE RUNNER Frequently Asked Questions (FAQ) Version 2.4 (July 1995)

編者:Murray Chapman (訳注:メールアドレス不明)

翻訳:きむらかずし <kimu(at)st.rim.or.jp>

訳者より

このテキストは、カルト映画『ブレードランナー』に関する FAQ ( Q&A 集)を編者の了解のもと翻訳したものです。

オリジナル編者による公式ホームページと FAQ の WWW 版が下記にありました。 ここにはテキスト版 FAQ の更新停止以降に追加された情報もありましたが、現在、サイトは閉鎖されています。

訳者は、本 FAQ 日本版および、ブレードランナー関連情報を、下記で公開しています。

日本版訳者へのメッセージは ♪掲示板?、あるいはメール kimu(at)st.rim.or.jp でどうぞ。

ブレードランナー FAQ のオリジナルおよび日本版の最後のテキスト版はこちらです。これをベースに本 Wiki 版を編集しています。

スパム除けのため、メールアドレスは@マークを (at) で置き換えています。

日本版編集履歴

はるか昔

  • オリジナル編者による BLADE RUNNER FAQ が生まれる。

1993 年 5 月吉日

  • きむら、日本語翻訳版を NetNews に流し始める。

(……省略……)

1995 年ごろ

  • きむら、リムネットの Web サーバにブレードランナー・コレクションを開設。FAQ を置く。

(……省略……)

2000 年 7 月吉日 (2.4J06)

  • なんと 4 年ぶりの更新。
  • 大森望さんからのご指摘(アラン・E・ノーズ→ナース)を反映
  • いくつかの訳注の追加

2001 年 1 月吉日 (2.4J07)

  • 読者よりご指摘:「アドブル」→「アブドル」
  • その他、小さな修正

2007 年 9 月 1 日〜 2 日 (2.4J07 Wiki 0.1)

  • いまどきテキスト版では申し訳ないので、Wiki に移行することとする。

2007 年 9 月 8 日 (2.5J)

  • 一通り手を入れて、Wiki 移行完了とする。Wiki の修正は管理人(日本版編者)のみとします。

2007 年 11 月 19 日 (2.5J02)

  • ウイリアム・S・バローズ→バロウズ

ブレードランナー FAQ

Copyright (C) 1992-1995 Murray Chapman

日本版字幕 きむらかずし


これは Murray Chapman (muzzle(at)cs.uq.oz.au) が、挙げたら切りがない程多くの情報を元にまとめたものである。皆さんに感謝したい。

(訳注:以下は、オリジナル FAQ が NetNews に投稿されたときのヘッダ情報)

From: muzzle(at)cs.uq.oz.au (Murray Chapman)
Newsgroups: rec.arts.movies.misc,alt.cult-movies,rec.arts.sf.movies,rec.answers,news.answers,alt.answers
Subject: BLADE RUNNER Frequently Asked Questions (FAQ)
Supersedes: <movies/bladerunner-faq_803471524(at)rtfm.mit.edu>
Followup-To: rec.arts.movies.misc
Date: 8 Aug 1995 16:43:20 GMT
Organization: The University of Queensland, Australia.
Lines: 2107
Approved: news-answers-request(at)mit.edu
Expires: 21 Sep 1995 16:43:03 GMT
Message-ID: <movies/bladerunner-faq_807900183(at)rtfm.mit.edu>
Reply-To: muzzle(at)cs.uq.oz.au (Murray Chapman)
NNTP-Posting-Host: bloom-picayune.mit.edu
Summary: Discussions of Blade Runner, a frequently debated movie.
Keywords: blade runner cult movies faq
X-Last-Updated: 1995/08/07
Originator: faqserv(at)bloom-picayune.MIT.EDU
Archive-Name: movies/bladerunner-faq
Version: 2.4 (July 1995)

イントロダクション

映画『ブレードランナー』はインターネットでもっとも話題となる映画の一つである。 数日ごとに同じ質問と答えが繰り返されるのを防ぐために、ブレードランナー FAQ を提供することにする。


ついに、この FAQ の WWW 版が公開された:http://www.uq.edu.au/~csmchapm/bladerunner/

(訳注:その後 http://www.bit.net.au/~muzzle/bladerunner/ に移動したが、そこも閉鎖された。)


この FAQ は 1 ヶ月おきに以下にポストされる:rec.arts.movies, alt.cult-movies, rec.arts.sf.movies, rec.answers, news.answers

フォローアップ指定は rec.arts.movies に設定してある。

この FAQ 、そしてその他の多くの FAQ は、news.answers を保存している匿名 FTP から得ることができる。 例えば:

       rtfm.mit.edu:/pub/usenet/news.answers/movies/bladerunner-faq

(訳注:以上の記述はオリジナル FAQ の話である。また現在では FAQ の編集および維持は、WWW 版も含めて、事実上、停止している。)

Marcos Contreras M. がこのファイルをスペイン語に翻訳している。 詳細については続報を待ってほしい。

Kazushi Kimura がこのファイルを日本語に翻訳した。詳細については彼に(kimu(at)st.rim.or.jp) に連絡してほしい。 (訳注:きむらのメールアドレスは個人用に書き換えた。)

Marc-Berco Fuhr がこのファイルをドイツ語およびオランダ語に翻訳することを志願してくれた。 詳細については彼に (fury(at)daimi.aau.dk) に連絡してほしい。

全ての項目、特に[?]でマークされたことに関しての情報を歓迎する。

この FAQ にはネタばらしが含まれる。

1. ブレードランナーとは何か?

ブレードランナー( BR )は、ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、ダリル・ハンナが出演した SF 映画である。 興行的には失敗であったが、ことによるとカルトムービーの決定版との評価を得るようになってきており、さらに 20 世紀 SF 文学の典型を忠実に守っている数少ない映画のひとつである。

ブレードランナーはリドリー・スコットが監督し、バンゲリスが音楽を担当した。

あらすじ

映画の序文より:

 21 世紀の始め、タイレル社はロボットの進化段階をネクサス・フェーズに進めた ー 実質上、人間に等しい存在 ー それはレプリカントとして知られる。 ネクサス 6 型レプリカントは、彼らを創造した遺伝子技術者に対して、体力や機敏性においては勝り、さらに知能においては少なくとも同等であった。
レプリカントは、危険な宇宙探査や、他の惑星の植民地化など、宇宙( Off-world )での奴隷労働に使われた。
 ネクサス 6 型の戦闘チームが宇宙植民地で流血を伴う反乱を起こした後、レプリカントは地球上では非合法な存在と宣言された ー その罰は死刑である。
特別捜査班 ー ブレードランナー・ユニット ー は、侵入してくる全てのレプリカントを捜索の上、撃ち殺すように命令された。
それは処刑とは呼ばれなかった。
それは廃棄と呼ばれた。
ロサンジェルス
2019 年 11 月

数人のレプリカントが地球侵入に成功し、元ブレードランナーのリック・デッカード(ハリソン・フォード)は、そのレプリカントの追跡を強要される。

2. 何という本に基づいているのか?

ブレードランナーは、大筋においてフィリップ・K・ディックの小説 "Do Androids Dream of Electric Sheep?" (DADoES) に基づいている (訳注:邦題『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』)。 映画への用いられ方に関してただ一つ言えることは、少なくともいくらかのコンセプトと登場人物を、この本から借りているということである。 ディックはまた『トータル・リコール』のベースとなった短編小説、"We Can Remember It For You, Wholesale" も書いている(訳注:邦題『追憶売ります』)。 ディックの物語で繰り返し登場するテーマは、個人そして人間としてのアイデンティティーへの疑問である。 ブレードランナーよりも、 DADoES や『トータル・リコール』において、より深く探求される問題は、『現実とは何か』である。

DADoES は古本屋で見つかる可能性が高い。以下のタイトルで再版されたことがある。 "Blade Runner (Do Androids Dream of Electric Sheep?)." (訳注:日本でも『ブレードランナー』のタイトルで出版されたことがある)

映画のタイトルはアラン・E・ナースが書いた小説 "The Bladerunner" に由来する。 ウィリアム・S・バロウズは、この本を取り上げ "Bladerunner (A Movie)"を 1979 年に書いている。 タイトルだけへの権利が(『永久に』)リドリー・スコットへ売られた。 ナースの書いた "The Bladerunner" とスコットの BR の類似点はタイトルだけである。 ナースのタイトルは、合法的には医療器具を得ることができない違法な医師に、医療器具を運んでやる人間達のことを指している[出典:Locus 1992 年 9 月( 76 ページ)]。 スコットは、このタイトルがデッカードにぴったりのコードネームだと考えた。

『ビジュアル』な要素については、ダン・オバノンとメビウス(ジャン・ジロー)によって描かれた "The Long Tomorrow" という物語からいくらかの影響を受けている。 これはフランスの "Wonders of the Universe" コミックブックシリーズの一冊である[7 章を見よ]。 このコミックブックの最後には以下のことが書かれている(フランス語から翻訳):

『このコミックブックには、その他に、 "The Long Tomorrow" のような有名な物語も含まれている。 "The Long Tomorrow" は、元々はパロディにしようと考えられていたが、最後には、もっとリアルなものになった。 それがパロディしようとしていたのは、典型的なアメリカの探偵物である。この物語は後に、映画『ブレードランナー』においてビジュアルな面での参考にされた。』

ジャン・ジローはウォルト・ディズニー映画『トロン』のコスチューム・デザインを担当した。 そして同映画ではシド・ミードがメカニカル・デザインを担当した。

3. サウンドトラックは入手可能か?

1994 年の 7 月、バンゲリスはブレードランナーの公式サウンドトラックを初めてリリースした。 アルバムに寄せられたバンゲリスのコメントによると:

『このアルバムに収められた曲のほとんどは、私が 1982 年にロンドンでレコーディングしたもので、これは映画、ブレードランナーのために作曲したものだ。

レコーディングしたものを当時はリリースできなかったことを思うと、今、それができることは大変嬉しいことだ。

これに含まれる曲のいくつかは、ブレードランナーのオリジナル・サウンドトラックとして知られていることだろうが、残りの数曲は、ここに初めて発表されるものだ。 リドリー・スコットの力強く、想像力をかきたてるような映像をあらためて見ると、当時と同じ様に刺激された。 そこでこの音楽を再編集することにしたのだが、今回、それは楽しい体験だった。』
- バンゲリス アテネにて 1994 年 4 月

そのサウンドトラック:

       BLADE RUNNER
       VANGELIS
       Warner Brothers 4509-96574-2
       1. Main Titles (3.42)
       2. Blush Response (5.47)
       3. Wait for Me (5.27)
       4. Rachel's Song (4.46)
       5. Love Theme (4.56)
       6. One More Kiss, Dear (3.58)
       7. Blade Runner Blues (8.53)
       8. Memories of Green (5.05)
       9. Tales of the Future (4.46)
       10. Damask Rose (2.32)
       11. Blade Runner (End Titles) (4.40)
       12. Tears in Rain (3.00)

(訳注:日本盤は次の通り:『ブレードランナー・サウンドトラック』 east west japan AMCE-732 )

このアルバムのカバーは、映画ポスターのクローズアップであり、それは、デッカード、レーチェルと、警察本部の屋上の写真で構成されている。 中には色々な写真があって、リドリー・スコットがハリソン・フォードに指示を与えているショットも含まれる。

バンゲリスがこのサウンドトラックを出そうと決意したのは、 1993 年のクリスマスの数日前に限られた店に現われた、次に示すブレードランナーの海賊盤に促されたからだと思われる:

       Original Motion Picture Soundtrack: Blade Runner
       限定版 2000 枚(公的な販売のライセンスなし)
       Off World Music, Ltd. 番号 OWM 9301
       コンパクトディスク( ADD )
       1. Ladd Company Logo (0:24) ジョン・ウィリアムス
       2. Main Titles and Prologue (4:03) バンゲリス
       3. Los Angeles, November 2019 (1:46) バンゲリス
       4. Deckard Meets Rachael (1:29) バンゲリス
       5. Bicycle Riders [Harps of the Ancient Temples] (2:05) Gail Laughton
       6. Memories of Green (5:39) バンゲリス
       7. Blade Runner Blues (10:19) バンゲリス
       8. Deckard's Dream (1:12) バンゲリス
       9. On the Trail of Nexus 6 (5:30) バンゲリス
       10. If I Didn't Care (3:03) Jack Lawrence [ワークプリントでのみ使用]
       11. Love Theme (4:57) バンゲリス
       12. The Prodigal Son Brings Death (3:35) バンゲリス
       13. Dangerous Days (1:02) バンゲリス
       14. Wounded Animals (10:58) バンゲリス
       15. Tears in Rain (2:41) バンゲリス
       16. End Titles (7:24) バンゲリス
       17. One More Kiss Dear (4:00) Skelling and バンゲリス[劇場公開版]
       18. Trailer and Alternate Main Titles (1:39) Robert Randles
       録音時間の合計:72:42

この海賊盤 CD には、 6 枚のスチル写真を含む、8 ページのブックレットが入っている。 表紙は、 1982 年公開時に用いられた、イギリスでの 1 枚版の映画ポスターが飾っている。 裏表紙は、映画では用いられなかったシーンからのカラー・スチルで、これはリオンの持っていた写真が、バティーの頭が回って見えるホログラムだと分かるものだ( Cinefex 9 号 1982 年 7 月)。 裏表紙の内側は、デッカードとレーチェルが街から逃げ出すときの、彼のスピナーの鳥瞰図である( Official Blade Runner Souvenir Magazine 1982 年)。 たぶんほとんど人に馴染みがないもう一つの写真は、デッカードが生命維持装置に入っているホールデンを見ている場面である(これに似た写真を Video Watchdog 1993 年 11-12 月号で見ることができる)。

このブックレットによると、スコット監督は、音楽をバンゲリスが完成できなかった場合にそなえて、数人の作曲家にコンタクトを取っていたそうだ。 映画を、別の作者による音楽によって補うという彼の最終的な決断は、作曲家との契約上の紛争を引き起こした。 結果として、バンゲリスはサウンドトラック・アルバムをリリースするのを拒んだ。 愛のテーマ( Love theme )とレーチェルのピアノ演奏は、ショパンの第13番ノクターンの変奏曲である、といった様に、それぞれの作品に関する解説文が面白い。 (ワークプリントの中で使われた愛のテーマは、このアルバムには含まれない。) いくつかの作品に対する演奏は、今回初めて、最初から最後まで聴くことができるので、この映画のファンにとっては魅力的であることは明らかだろう。 特に 9、12、13 そして 14 曲目は。 ワーナー・ブラザーズの New American Orchestra の CD [下記を見よ]でも聞けるだろうが、ブレードランナー・ブルース( Blade Runner Blues )の演奏時間が、この CD の 2 倍というのは評価すべきであろう。 このアルバムのプロデューサー( Christopher L. Shimata-Dominguez )は、自らの名前と、 Off World Music というレーベルで、ユーモアのセンスを発揮している。 彼はまた、無許可の「レプリケーション(複製)」は、該当する法律を違反することだと警告している。 (訳注:デッカードが初めて登場する場面でブリンプから流れる宣伝文句に、ディレクターズ・カットでは言葉が追加されているが、そこに Shimata-Dominguez Corporation というのが出てくる。 Off World もブリンプ等に表示される言葉で、地球外の宇宙(植民地)のこと。 「レプリケーション」はレプリカントに引っかけている。)

このディスクは音質が極めて良いだけでなく、その値段にもちょっと驚かされる。 すなわち、公的な販売としてではないのだが、US$34.95 での販売は、この数量限定のプライベート版を入手するのに十分な価格だった。

[私はこのアルバムを持っていないし、どこで得られるのかもしらない。 これに関するどんな質問も無視されるだろう。]

"Blade Runner Soundtrack"( WEA 1982 年)というレコード・アルバムは入手することができるが、本物の映画のサウンドトラックではなく、 New American Orchestra によって演奏された、サウンドトラックのオーケストラ風アレンジといったものである。 そこには以下の曲が納められている:

       Love Theme  (4:12)
       Main Title  (5:01)
       One More Kiss, Dear  (4:00)
       Memories Of Green  (4:50)
       End Title  (4:17)
       Blade Runner Blues  (4:38)
       Farewell  (3:10)
       Love Theme  (4:12)

バンゲリスは 1992 年に "Themes" というアルバムをリリースしたが、そこには、映画のサウンドトラックから以下の曲が入っている。

       End Titles from "BLADERUNNER"  (4:57)
       Love Theme from "BLADERUNNER"  (4:55)
       Memories of Green  (5:42)

"Memories of Green" はバンゲリスのアルバム "See You Later" で最初にリリースされた。 スコット監督は、映画、『誰かに見られてる』で、"Memories of Green" のオーケストラ・バージョンを使っている。

バンゲリスはまた『南極物語』のために曲を書いている。これには、ブレードランナーで使われた曲に顕著に似たトラックが含まれる。 バンゲリスの 1979 年のアルバム "VANGELIS: Opera Sauvage" においても、ブレードランナーに使われた曲に似たトラックがいくつか納められている。 (訳注:『南極物語』は、いわゆるタロ・ジロが主人公の邦画である。)

ブリンプ(訳注:広告用ディスプレイのついた飛行船)で流される日本の歌は、以下である。

       "Japan: Traditional Vocal and Instrumental Music, Shakuhachi, Biwa, Koto, Shamisen" [コンパクト・ディスク]
       Ensemble Nipponia による演奏、 1976 年
       Electra Asylum Nonesuch Records/Warner Communications Inc.

この歌は、日本のある一族によって、他方の一族が悲壮で完全な滅亡に追いやられる話を語っている。(訳注:平家物語のこと)

リオンとバティーがチューの工房である Eye World へ行く途中、自転車に乗った人々が通過する場面では、Gail Laughton の "Harps of the Ancient Temples" が使われている。 このアルバムは Laurel label の古い CD カタログ、カタログ番号 111 に載っている。

4. レプリカントとは何か?

以下の定義が BR の脚本と、この映画をマーベル・コミックス用に脚色したものおよびデンバー/ダラスでのスニーク・プレビュー(訳注:一般公開する前に題名等を伏せておこなわれる映画試写会)に示されている。

_アンドロイド_

(an'droid) 名詞、ギリシャ語:人間型自動機械。ロボット以上のもの。 1. 初期の型は人間には退屈、危険、あるいは不愉快な仕事に利用された。 2. 第2世代はバイオ工学による。電子的リレー装置や陽電子頭脳を持つ。過酷な環境下の宇宙探査などに用いられた。 3. 第 3 世代は遺伝子合成技術による。レプリカント:培養された皮膚/肉体から構成される。選別されたエノジェニック転移変換による。自律的に思考する能力を持つ。超人的な体力を持つ。移民問題の解決のために開発された。(訳注:エノジェニックは脚本家による造語)
ウェブスター辞典 ニュー・インターナショナル( 2012 年)

レプリカントは人工的な生命体であり、人間には非常に退屈で危険、あるいは不愉快な仕事を行うために設計された。 『ネクサス 6 型』レプリカントは人間と区別がつかないほど似ている。 (脚本の草案の一つでは、タイレル社に押し入ろうとしてフライにされたレプリカントの検死において、手順が 2 時間経過するまで、それがレプリカントとは判らなかったと、ブライアントがデッカードに語っている。)

レプリカントは人間と、一つの重要な点で異なっている。すなわち彼らは感情移入の能力が欠けているのだ。 リドリー・スコットは単に映画の表現上のテクニックだと強調しているが、 BR においてレプリカントの目は光る。 それは物語上の登場人物からは見えず、映画の観客からのみ見ることができる。 (訳注:編者によると、「目が光る( glow )」とは、カメラのフラッシュ撮影で目が光って写ってしまうのと同じ現象を、レプリカントを暗示するためにスコット監督が意識的に用いたことを指す。)

レプリカントが情緒的に未熟であるため風変りな行動様式を持つことを、その製造者は気づいていた。 レーチェルは、実験的に記憶の移植を施されたプロトタイプのレプリカントである。 記憶の移植は感情へのクッションとして用いるために設計されている。 その結果、彼女は自分がレプリカントであることに気が付かなかった。

ネクサス 6 型レプリカントは、組込の安全装置の機構を持っている。すなわち4 年の寿命である。

5. それは誰、それは何?

『ブレードランナー』用語集( 1982 年の記者会見資料より)

ブレードランナー
フォークト・カンプフ測定器を使用するための特殊な訓練を受け、本物の人間のふりをして人間社会に逃げ込もうとする全てのレプリカントを追い詰め、抹殺する特殊な命令を受けた特捜刑事に付けられたニックネームである。ブレードランナーの公式な名称はレプディテクトである。
レプリカント
遺伝子操作技術により作られた、全て有機体によって構成された生命体。始めに、動物レプリカント(アニモイド)が、多くの本物の動物が絶滅したあとペットや家畜として使うために開発された。その後に、人間型レプリカントが軍事目的や、宇宙探査や宇宙植民のために作られた。タイレル社は、最近ネクサス 6 型を導入した。これは究極のレプリカントで、本物の人間より力が強く、動作が早く、しかも見かけ上は区別がつかない。地球の法律は、レプリカントが地球上にいることを、彼らが作られる巨大工業ビルの内部を除いては、禁止している。その法律はレプリカントを人間とみなしておらず、そのため彼らにはなんの権利も保護規定もない。
エスパー
とても強力な 3 次元分解能と極低温冷却システムを持つ、高密度コンピュータ。警察の車両と、デッカードのアパートには、警察本部にある大型モデルに回線をつなげる小型モデルが備わっている。この大きな装置は、使い古した懐古調の家具の一部となっている。豊富な機能があるが、このエスパーは写真の分析と拡大が可能で、これによって調査員は、その場にいなくとも室内を捜索できる。

[ 1995 年 1 月に発行された NASA の技術速報( Tech Briefs )には、 Omniview と呼ばれるエスパーに似たマシンが紹介されている。 ]

フォークト・カンプフ測定器
非常に進歩した一種の嘘発見器であり、虹彩の筋肉の収縮や、身体から発せられる目に見えない浮遊する微粒子の存在を測定する。ふいごは、その後者の機能のために設計されており、気味の悪い昆虫のような威嚇的雰囲気を機器に与えている。 VK は、容疑者が本物の人間かどうか決定するために、ブレードランナーが最初に使う。それは注意深く決められた質問と文章に対する感情的な反応の度合を測定する。
スピナー
2020 年頃には普通に使われている、全ての空を飛ぶ自動車を意味する言葉。特別な権限を持つ者か警察にしか、このすばらしい乗物を運転する免許は与えられない。市街地の走行、垂直離陸、ホバリング、高速巡行が可能。スピナーは、従来型の内燃機関、ジェット、反重力の、 3 種類のエンジンによって推力を得る。

[シド・ミードは、続く解説文において、実際のスピナーの設計コンセプトは、今日の垂直離陸航空機に使われるような、内部的な動力による浮上の一つであり、反重力ではなかった、としている。]

制作者一覧

リドリー・スコット
監督。 TV コマーシャルの制作を長年やってきたスコットは一貫して質の高い映画を作っている。彼の監督作品には、デュエリスト、エイリアン、ブレードランナー、誰かに見られてる、レジェンド/光と闇の伝説、ブラック・レイン、テルマ&ルイーズ、 1492 コロンブスなどがある。リドリー・スコットはまた、マッキントッシュの最初の TV コマーシャル( the "hammer thrower" )を監督した。これは 1984 年 1 月のスーパーボウルの時に初めて放映された。リドリーの兄弟のトニーも監督であり、その監督作品には、トップガン、デイズ・オブ・サンダー、ハンガー、トゥルー・ロマンス、ラスト・ボーイスカウトなどがある。
マイケル・デュリー
製作。『ディア・ハンター』の製作でアカデミー賞の受賞者。
シド・ミード
ビジュアル・フューチャリスト:映画のクレジットに『ビジュアル・フューチャリスト』という言葉を使うように指示したのはシド・ミード自身である。(彼は、どのユニオンやギルドのメンバーでもないので、『クリエイティブ・デザイナー』といったクレジットを使うことは出来なかった。)彼は 1989 年ソニーと国際学生デザインコンペの共同スポンサーとなった。彼の作品を幾つか紹介する:
  • カリフォルニア・パビリオン、セビリア万博( 1992 )
  • 未来のターミナル駅、 JR 東日本( 1990 )
  • クラブ・カー、 JR 東日本( 1990 )
  • ドクター・ジーカンス[東京にある未来的カフェ+ゲームセンター]( 1990 )
  • 未来のオフィス、岡村家具、日本( 1989 )
  • クラブ・ハウス(東京湾岸プロジェクト)( 1989 )
  • トロン・コンピュータ( 1988 )
  • サンリオ劇場( 1987 )
  • 未来のオフィス、 GE ( 1985 )
  • Terraforming (ビデオ・ゲーム)
  • Civilization (ビデオ・ゲーム) (訳注:『トロン』( 1981 )メカニカル・デザイン)
ローレンス・G・ポール
作製デザイン。建築と都市計画の学位を持つ。彼の参加した映画は: Blue Collar, Which Was Is Up?, The Star Spangled Girl
バンゲリス( Evangelos Papathanassiou )
ギリシャ人作曲家。彼は沢山の映画音楽を書いているが、最も有名なのはたぶん『炎のランナー』だろう。さらに、 TV シリーズ『コスモス』の音楽もいくつか書いている。映画音楽を書く前は、『アフロディーテズ・チャイルド』というバンドのキーボード奏者だった。バンゲリスはスコット監督の 1992 年の作品『 1492 コロンブス』の音楽を書いている。
ハンプトン・ファンチャー、デビッド・ピープルズ
脚本。ピープルズは、クリント・イーストウッドの『許されざる者』や、ステッペン・フレアの "Hero" も書いている。
ジョーダン・クロネンウェス
撮影監督。アルタード・ステーツ、結婚しない族、 Cutter's Way 、愛という名の疑惑、 Gable and Lombard 、友よ、風に抱かれて、女ざかり ホリーとサンディ、 The Nickel Ride 、ペギー・スーの結婚、Play It As It Lays 、ローリング・サンダー、ステート・オブ・グレース、ストップ・メイキング・センス
ダグラス・トランブル
特殊効果。 2001 年宇宙の旅、未知との遭遇、ブレインストーム(兼、監督)

出演者

デッカード(ハリソン・フォード)
元ブレードランナー
エルドン・タイレル博士(ジョー・ターケル)
タイレル社のオーナーであり、レプリカントの製造業者。非常に知能が高く、ネクサス 6 型の頭脳を設計した。
レーチェル(ショーン・ヤング)
実験用ネクサス 6 型レプリカント。タイレルの元で働いており、彼の姪の記憶を持つ。
ロイ・バティー(ルトガー・ハウアー)
脱走したレプリカント達のリーダー。
  • 製造年月日: 2016 年 1 月 8 日
  • 機能:戦闘、植民地防衛任務
  • 体力: A 知力: A
プリス(ダリル・ハンナ)
レプリカント(ブライアント警部:『標準的なお楽しみモデルだよ』)
  • 製造年月日: 2016 年 2 月 14 日
  • 機能:軍事/慰安
  • 体力: A 知力: B
ゾーラ(ジョアンナ・キャシディー)
レプリカント
  • 製造年月日: 2016 年 6 月 12 日
  • 機能:暗殺の再教育を受ける( 2018 年 2 月 9 日)
  • 体力: A 知力: B
リオン・コワルスキー(ブライオン・ジェームス)
レプリカント
  • 製造年月日: 2017 年 4 月 10 日
  • 機能:戦闘/肉体労働(核施設)
  • 体力: A 知力: C
J・F・セバスチャン(ウイリアム・サンダーソン)
タイレル社の遺伝子設計技術者。若年性老人病(メトセラ症候群)のため地球に留まっている。(ある脚本によると)チェスのグランドマスターだが、 1 度しかタイレルを負かしたことがない。
H・ブライアント( M・エッメット・ワルシュ)
警部。デッカードの元上司。
ガフ(エドワード・ジェームス・オルモス)
警察の一員。昇進を狙っている仕立屋ダンディ。折り紙を作る。
ホールデン(モルガン・パウル)
ブレードランナー、リオンに撃ち殺され、そして生命維持装置に入れられた。(訳注:撮影用脚本ではホールデンは死んではいない。)

6. 私はナレーションやエンディングが好きじゃない。

(訳注:オリジナルではナレーションではなく『ボイスオーバー』という言葉を使っている。 しかし日本では馴染がないので、ナレーションとした。)

リドリー・スコットは BR を『フィルム・ノワール』と呼ばれるスタイルで作った。 フィルム・ノワールは、『ハードボイルド探偵物』スタイルの語り口である。 たぶん最も有名な例として、ハングリー・ボガードの映画『マルタの鷹』(監督ジョン・ヒューストン)がある。 フィルム・ノワールのトレードマークは、探偵自身によるナレーションであり、それによって主人公が、その時々に何を考え、何をしているのかを説明するのである。 (訳注:『マルタの鷹』にはナレーションはない。 しかし序文の表示方法を始めとして BR への影響が感じられる。)

リドリー・スコットは当初、 BR をナレーション *なし* で撮影したが、スニーク・プレビュー(リサーチのための試写会)で不評だったため、スタジオ側がナレーションを加えることを強要した。 リドリー・スコットは、アメリカの TV インタビューの中で、フィルム・ノアールにおいてはナレーションは効果的な場合もあるし、そうでない場合もある、そして BR では効果的でなかった、と語っている。

『観客をハリソン・フォードの演ずる役に親しませ、ストーリ展開を追い易くするために、過剰なナレーションが加えられた。 小説家兼脚本家のダリル・ポニックサンによる草案が没になった後、ローランド・キビーという名の TV のベテランがその仕事を得た。 最終的に書きあがったナレーションは、映画制作に携わった人々から共通して嘲笑の対象となった。 それはまるで子供番組における、おどけたナレーションの程度だとスコット監督は表現した。 とってつけたような話に聞こえるが、この映画にはちょっと奇妙な言い伝えがある。 今日でも撮影チームの多くのメンバーが信じていることには、ハリソン・フォードは(意識して、あるいは無意識に)気乗りしない風にナレーションを読み、それが採用されなくなることを望んでいたというのだ。 一方、共同執筆者のファンチャーとピープルズは(今では友人だが)ナレーションが加わった版を一緒に見て、それを書いたライターを気遣うあまり、それから数カ月の間は、いかなる否定的なコメントも差し控えた。』

[出典: Los Angeles TimesMagazine? 1992 年 9 月 13 日]

この映画のエンディングもスタジオ側によって変更された。スコット監督は、デッカードとレーチェルがエレベーターに乗り込む場面で映画を終らせたかったが、スタジオ側は、この映画はもっとハッピーエンドに、あまいにしないで終らせる必要があると決定した。 1982 年劇場公開版に使われた空中撮影のショットは、スタンリー・キューブリックの『シャイニング』のために撮影後、上映時には使われなかった部分である(『シャイニング』には、時を同じくしてジョー・ターケルが出演している)。

1992 年 9 月に、ワーナー・ブラザースはブレードランナーの『ディレクターズ・カット』( BRDC )をリリースしたが、これではナレーションとハッピーエンドが削除されている。

7. ブレードランナーにはどんな異なったバージョンがあるか?

(訳注:スニーク・プレビューとは、一般公開する前に題名等を伏せておこなわれる映画試写会のこと。 観客の反応によっては、映画の内容が修正される。)

7 種類の異なったバージョンがあるとしている Video Watchdog の記事については 13 章で述べる。

ハンプトン・ファンチャーは、数種類の脚本草案を書いた。これらの草案は、デッカードがレーチェルを郊外に連れ出して初めて自然を見せ、そして、彼女が警察に捕まるのをいやがったために、雪の中で彼女を撃つものも含まれる。 デビット・ピープルズがこの脚本に研きをかけるために連れてこられ、リドリー・スコットは、もっと探偵物の要素を加えるようにたのんだ。 ピープルズはデッカードの逆境における人間性に取り組んだ。 彼の娘がバイオ工学の専門用語『レプリケート(複製を作る)』を口にして、これから『レプリカント』が導かれた。 ピープルズはスコット監督に、その脚本は彼が取り組む前に事実上完全だったとも言っている。 [出典: Los Angeles Times Magazine 1992 年 9 月 13 日( 20 ページ)]

BR の 3 時間バージョンの噂は、まさしく、噂だ。脚本のどのバージョンからも、そんな長さの映画を作ることはできない。 メアリーは、彼女のシーンが全く撮影されない内にカットされた。

ハリウッド監督ギルドを通した契約では、スタジオの干渉を受けずに、監督が自分の好きなように映画のカットを組み立てられる期間は、通常 6 週間とされる。 この『ディレクター(監督)のカット』は、完全に編集済みで、映像との同期のとれたサウンドトラックを持つ。このカットは、通常、カラー補正や密度補正はされておらず終了時の音楽や、効果音のトラックさえもない。 最近になって、『ディレクターズ・カット』という用語は、一般的な意味を持つようになってきた。 すなわち、監督が完全に芸術的なコントロールを持って磨き上げた最終カットを指している。 BRDC は後者の定義に当てはまる。今では伝説となった、 Nuart Theater およびカストロ劇場における『ワークプリント』は、前者に当てはまる。

米国デンバー/ダラスでのスニーク・プレビュー/ワークプリント -- 70 ミリ( 113 分)

  • ウェブスター辞典 2012 年版のレプリカントの定義が、序文の代わりに使われた
  • バティーが死ぬとき以外のナレーションが削られた
  • * 2 匹* のレプリカントが、エレクトリック・フィールドを走り抜けようとしてフライになったと、ブライアントが言う
  • 蛇作りとデッカードの会話が異なり、彼らの唇の動きと合っている
  • タフィーのバーの外に、ホッケー・マスクをした、ほとんど裸のダンサーのショットを含む
  • バティーは『もっと生きたいんだ、ファーザー』と言う(訳注:名セリフ集を参照のこと)
  • プリスはデッカードを不意打ちするときに、鼻の穴で彼を持ち上げる
  • バティーの死の後に、異なったナレーションが使われた
  • エレベーターのドアが閉じるところで終わる
  • その他のバージョンより短い

このバージョンは、 1990 年には Fairfax Theater にて、そして 1991 年には UCLA のロサンジェルス・パースペクティブ・マルチメディア・フェスティバルにおいて上映された。 これは、 1982 年 3 月、ロンドンでのスニーク・プレビューで上映されたプリントとも同じである。 このバージョンを 35 ミリに落としたものが、後の 1991 年に Nuart Theater およびカストロ劇場で上映された。*この* バージョンがオリジナルのディレクター(監督)のカットだという複数の噂があったが、公式な 1992 年ディレクターズ・カットは、これと同じではない。

米国サン・ディエゴでのスニーク・プレビュー( 115 分)

  • チューが居るかどうか確かめるためにバティーが電話をかけるシーンがある
  • デッカードが、バティーを銃撃したあと、弾を再装填するシーンがある
  • デッカードとレーチェルは、夕日に向けて車を走らせる

[出典: Video Watchdog 1993 年 11-12 月 20 号]

欧州での劇場公開版/クライテリオン LD /ビデオ( 117 分)

  • バティーは、両親指をタイレルの目に突っ込み、大量に出血する
  • プリスはデッカードを不意打ちするときに、鼻の穴で彼を持ち上げる
  • デッカードはプリスを 3 回撃つ
  • プリスはデッカードに撃たれたとき、より足をばたつかせ、叫ぶ
  • ロイが実際に釘を手に差し込み、突き抜けるシーンがある
  • デッカードとレーチェルは、夕日に向けて車を走らせる

追加されたナレーションのために、このバージョンは、米国の劇場公開版より 15 秒長い。 10 周年記念ビデオ版は、このバージョンと同じ内容である。

ディレクターズ・カット( BRDC )( 117 分)

  • ナレーションは完全に削除された
  • デッカードがヌードルバーの席を待つ間、ナレーションがなくなったのをカバーするため、ブリンプからの宣伝文句が増やされた
  • デッカードがピアノを弾くときに 12 秒のユニコーンのシーンが追加された
  • ハッピーエンドが削られた(映画はエレベータのドアが閉まるところで終る)
  • ビデオにあった追加のバイオレンスシーンは削られた。
  • デジタル・サウンドトラックが BRDC のためにリミックスされた。

ケーブル TV [?分]

BR が初めてアメリカのケーブル TV に登場したとき、ブライアントがデッカードにタイレルとセバスチャンの特徴、名前、住所を無線で伝えるシーンで、加えられた会話があった。 ケーブル TV 版では、ブライアントは『そこへ行ってくれ』と言った後に『そして、そいつらを調べるんだ』と付け加える。

[これは今だに確かめられていないままの噂である。どなたかケーブル TV でのオリジナル初出版のテープをお持ちなら、*どうぞ*私に連絡を下さい。]

ビデオテープ( 117 分)

1993 年 1 月までの全てのビデオテープは、"Not Rated"版であり、 117 分のアメリカ劇場公開版では見られなかった、欧州版の追加バイオレンスシーンを含む。(訳注: Not Rated とは、倫理規定の審査を受けていないこと)

1993 年 1 月 22 日に日本において BRDC のビデオが入手可能となった:ワイドスクリーン VHS HiFi?:価格 3800 円。 これは米国では 1993 年 5 月 19 日に標準小売価格 $US39.98 でリリースされた。

レーザーディスク

NTSC 形式(M/NTSC 3.58 525/60: 米国と日本)においては、過去数年間に継続して入手可能なブレードランナーのレーザーディスクには、 7 つのバージョンがある。

  • ブレードランナー:ディレクターズ・カット( 1992 年)
    • Warner Home Video 12682、$50、CAV、レターボックス(実アスペクト比 2.41:1 )、 4 面、デジタル・ステレオ、CX/アナログ・ステレオ、パイオニアのプレス、付録なし。
    • ワーナー・ホーム・ビデオ・ジャパン NJL-12682、5,000 円、CLV 、レターボックス(実アスペクト比 2.41:1 )、デジタル・ステレオ、日本語字幕、パイオニアのプレス、付録なし。(米国製の WB-12682 と同じマスターを使用)(訳注:現在は、税込み 4,841 円。)
  • 1982 年欧州版カット/ US ホーム・ビデオ
    • Criterion Collection CC1120L、$90、CAV、レターボックス(実アスペクト比 2.50:1 )、 4 面、デジタル・ステレオ、CX/アナログ・ステレオ、 3M のプレス、大きなスチール写真の付録。
    • Criterion Collection CC1169L、$50、CLV、2.2:1 レターボックス(実アスペクト比 2.50:1 )、 2 面、デジタル・ステレオ、CX/アナログ・ステレオ、パイオニアのプレス、付録なし。
    • Embassy/Nelson Ent. 13806、$35、CLV、パン&スキャン(実アスペクト比 1.24:1 )、 2 面、CX/アナログ・ステレオ、パイオニアのプレス、デジタル・サウンドなし付録なし。
    • ワーナー・ホーム・ビデオ・ジャパン NJL-20008、12,500 円、CAV、レターボックス(実アスペクト比 2.50:1 )、 4 面、デジタル・ステレオ、日本語字幕、パイオニアのプレス。( Criterion Collection CC1120L からマスターを取ったが、英語の付録をいくつか省いている。)(訳注: NJEL-20008 として税込み 4,841 円で再発売された。)
    • (日本版) 08JL-70008、7,400 円、CLV、パン&スキャン(たぶん Embassy のレーザーディスクと同一)、 2 面、デジタル・ステレオ、字幕/吹き替え不明、プレス不明。

Embassy と Nelson Entertainment の LD は、NR (no-rated) の欧州版と書かれているが、実際は 1982 年米国の劇場公開版と同じで、Embassy NTSC VHS ビデオ・テープとは *異なる* 。 1982 年ワークプリントはレーザーディスクやビデオ・テープでは入手できない。

(訳注:DVD については、ディレクターズ・カットのみが発売中。)

関連書籍等

(訳注:本来、7 章の一部だが、Wiki 化にあたり章と同等の扱いとした。)

脚本

       Script City
       8033 Sunset Blvd.
       PO Box 1500
       Hollywood, CA 90046
       U.S.A.
       US Phone:    213-871-0707    (問い合わせ),
                          1-800-676-2522    (注文専用)
    • ブレードランナー脚本初期草案( 80 年 7 月 24 日) $24.95 + ファーストクラス送料 $4.50
    • ブレードランナー脚本初期草案( 80 年 12 月 22 日) $24.95 + ファーストクラス送料 $4.50
    • ブレードランナー最終脚本( 81 年 5 月 10 日) $17.00 + ファーストクラス送料 $4.50。表紙の日付は 1981 年 2 月 23 日だが 1981 年 6 月 16 日までの日付のついた多数の変更が含まれている。これが、最終的な撮影用脚本と考えられる。
    • ブレードランナー・ストーリーボード $16.95 + ファーストクラス送料 $4.50。これには映画の前半部分のストーリーボードしかなく、不完全なセットである。

3 品あるいは 4 品全部注文する場合は、送料はまとめて $10.50 となる。

       ブレードランナー脚本($55.00 + 送料)
       Cinema City
       P.O. Box 1012,
       Muskegon, MI 49443,
       US Phone:    616-722-7760

Matt Walsh (mtm(at)walsh.dme.battelle.org) は、完全な Script City セットを持っており、そのコピーを $US35 +送料で売っている。

ブレードランナーの脚本のひとつは、オンラインでも入手できる:

(訳注:今はこの辺に: http://www.brmovie.com/Downloads/Docs/BR_Scripts.htm

書籍

(訳注:1997 年、ついに『メイキング・オブ・ブレードランナー』(翻訳本)がソニー・マガジンより発売された。21 世紀の現在は絶版。)

Retrofitting Blade Runner
リドリー・スコットのブレードランナーと、フィリップ・K・ディックのアンドロイドは電気羊の夢を見るか?に関する出版物。 Judith B. Kerman, editor, 1991, 291 pages. Bowling Green State University Press, Bowling Green, Ohio 43403。社会的意味付け、ジャンルの出版物、映画の出典、関連出版物、美的感覚と SF 界の創造物を扱う。(訳注: 1997 年に 2nd edition が POPULAR PRESS よりリリースされた。)
The Blade Runner Sketchbook [絶版]
Blue Dolphin Enterprises, Inc., 1982, ISBN #0-943128-01-3.
  • 初期のモノクロの製作スケッチとコンセプトスケッチ。パーキング・メータ、信号機、ドアの鍵、マガジン・ラック、ブレードランナーのピストル、フォークト・カンプフ測定器
  • タイレルの『棺』のスケッチ、これは未来技術による再生が可能になるまで生命活動を停止した状態で彼を保存する極低温装置である。彼の棺は、スタンリー・キューブリックの『 2001 年宇宙の旅』におけるディスカバリー号に搭載された人工冬眠装置と類似して見える。
  • バーチャル・リアリティ・マスク。顔に装着しソフトウェアディスクを使い様々な雰囲気の楽しみを体験できる。内容はきっとエロティック。たぶん DADoES に出てくるムード・オルガンのかすかな名残であろう。
  • ダンサー達が踊るステージ(小さな円形劇場に似ている)
The Illustrated Blade Runner [絶版]
Blue Dolphin Enterprises, Inc., 1982. 脚本の『撮影用バージョン』はポスト・プロダクション(訳注:撮影終了後の製作)の終盤に用意された。
The Blade Runner Portfolio [絶版]
Blue Dolphin Enterprises, Inc., 1982.
Hollywood from Vietnam to Reagan
Robin Wood. LC: PN1993.5.U6 W64 1986
Oblagon:Concepts of Syd Mead
Tokyo, 1985。ブレードランナーのプレ・プロダクション・アートをいくつか含む、シド・ミードの作品のショーケース。(訳注:タイトルの「:」記号は Wiki の制約により全角にしてある。)
AARX:Kronolog II
シド・ミードの作品の CD-ROM。Daikanyama Tyk, Bandai Visual, Hypercraft, Japan Fax: +81 334 77 1502。(訳注:バンダイ・ビジュアルなので、当然ながら日本でも発売された。)(訳注:タイトルの「:」記号は Wiki の制約により全角にしてある。)
Blade runner: (a movie)
Burroughs, William S. Berkeley: Blue Wind Press, 1979. ISBN 0-912652-45-4, 0-912652-46-2, 0-912652-47-0。(訳注:2 章にあるとおりタイトルの元ネタ。日本語翻訳もある。)(訳注:タイトルの「:」記号は Wiki の制約により全角にしてある。)
Blade Runner 2: The Edge Of Human
K・W・ジーター著。1995 年 9 月出版予定, Bantam, ISBN 0-553-09979-5 (hardcover), $21.95。(訳注:タイトルの「:」記号は Wiki の制約により全角にしてある。)

(訳注:下記には、ネタばらしが含まれるので注意!) 『リドリー・スコット 1982 年の名作映画、ブレードランナーで描かれたリック・デッカードの物語は、この全く新しく書かれた小説に受け継がれる。 最後の場面で、デッカードはレーチェルという名のレプリカントとロサンジェルスから逃亡しようとしていた。 他の全てのアンドロイドと同じように、彼女には 4 年の寿命が組み込まれていたが、デッカードは命がけで彼女を救ったのだった。 しかし今、彼はプリスの死に対しても追われていた。 そう、プリスはレプリカントではなかった、彼女は... 人間だったのだ!』

(訳注:その後、日本語翻訳である『ブレードランナー 2 レプリカントの墓標』、続いて『ブレードランナー 3 レプリカントの夜』が早川書房より発売された。)

模型

Elliott Swanson <elliott(at)linknet.kitsap.lib.wa.us> は、ブレードランナーの模型キットの膨大なリストを管理している。

       TVC-15 Police Spinner
       Monsters in Motion,
       1210 N. Jefferson Ave.,
       Anaheim, CA 92807,
       (714) 238-1250 

(訳注:『スピナー読本』でも有名な TVC-15 は日本の会社!ホームページはこちら http://www.tvc-15.com/

ペイント済み、組み立て済みで、実物大の複合ポリウレタン製のモデルガン(訳注:ブラスター)が、しんちゅう製の引き金と LED 付きで、下記から入手できる: Richard Coyle, P.O. Box 86175 Phoenix, AZ 85080-6175. 価格は約 190 US ドルである。

定期刊行物

  • American Cinematographer, July 1982. BR special.
  • "Back To The Future", Empire (UK) no. 42 (December 1992).
  • Bruno, Giuliana. "Ramble City: Postmodernism and BR", _October_, no. 41 (1987), p. 61.
  • Cinefantastique, nos. 5-6 (July-August 1982) double issue. 制作者および出演者一覧、イラストレーションと 83 枚の写真を含む、 BR の作成に関する包括的な記事。
  • Cinefex, no. 9 (July 1982). 全ての記事が BR に捧げられている。
  • Desser, David. "BR: Science Fiction and Transcendence", Literature/Film Quarterly 13, no. 3. (1985), p. 171.
  • Deutelbaum, Marshall. "Visual Memory/Visual Design: The Remembered Sights of Blade Runner", Literature/Film Quarterly 17, no. 1 (1989), p. 66.
  • Edwards, Phil. "The Blade Cuts", Starburst (UK) no. 51, November 1982.
  • Fischer, Norman. "BR and Do Androids Dream of Electric Sheep?: An Ecological Critique of Human-Centered Value Systems." Canadian Journal of Social and Political Theory, vol. 13 no. 3 (1989), pp. 102-113.
  • "L'homme est-il bon?", "The Long Tomorrow" from the "Wonders of the Universe" comic book series [France]. メビウス(ジャン・ジロー)によるイラストレーション。これは 2 回に分かれたストーリーとして以下にも掲載された。
  • "Heavy Metal" magazine [US], July and August 1977.
  • Literature/Film Quarterly 18, no. 1 (1990). BR に関する記事: "Casablanca Meets Star Wars: The Blakeian Dialectics of BR" Rachela Morrison, "Romanticizing Cybernetics in Ridley Scott's Blade Runner", by Joseph W. Slade; そして W. Kolb による非常に詳細な目録。
  • Official Comics Adaptation of Blade Runner. A Marvel Super Special, no. 22 (September 1982). これは以下にも掲載された。
  • the Blade Runner Annual from Grandreams, 1982 (British hardbound version of the Marvel Comic).
  • Official Blade Runner Souvenir Magazine. New York: Ira Friedman, Inc., 1982. 14 件のインタビュー、 140 枚以上の写真とイラストレーション、68ページ。
  • Scharf, David. "Magnifications: Photography with the Scanning Electron Microscope" Schocken Books, 1977. ISBN 080523670-8
  • Shapiro, Michael J. "'Manning' the Frontiers: The Politics of (Human) Nature in Blade Runner." In the Nature of Things: Language, Politics, and the Environment. Ed. Jane Bennett and William Chaloupka. Minneapolis: U of Minn Press, 1993. 65-84.
  • Telotte, J.P. "Human Artifice and the Science Fiction Film", Film Quarterly, 36, no. 3 (1983), p. 44.
  • Video Watchdog no. 20, November-December 1993. [ 13 章を見よ]
  • The Perfect Vision volume 6 no. 23, October 1994.
  • New Voyager, Issue 1.

8. 名ゼリフ集

(訳注: TV 放映時の吹替え、最終版ビデオを参考にしたが、できるだけ原文に忠実に翻訳した。)

デッカード

『すし。別れた妻は俺のことをそう呼んでいた。冷たい魚さ。』
『前にも俺を捨てたヤツはいるが、こうまで惚れたらそうはさせないぜ』
『震えるか?俺もだ。あいつらには悪いが、これも仕事だ』(訳注: "I get them bad." の訳を修正)

レーチェル

『デッカードさん、このテストで判定しているのはレプリカント?それともレズビアン?』
『私には仕事じゃないわ…… 私は仕事の対象よ。』
『あのテストを自分自身にかけたことはあるの?』

チュー(訳注:レプリカントの目を作っている東洋人)

『私、あんたの目を作った』

ロイ・バティー

『チューよ、あんたの作った目で、俺が見てきたものを見せてやりたいもんだ!』
『メーカーに会うのは簡単なことじゃないんでね。』
『もっと生きたいんだ、ファーザー!』 (『もっと生きたいんだ、ファッカー!』と聞こえるバージョンもある) (訳注:日本版字幕では『おやじ!』、『畜生!』等になる (^^; )
『俺は……色々悪いことをしてきた。バイオ工学の神に天国から締め出されるようなことは、なんにもしてないぜ。』
『早く上がったらどうだ、さもないとここで殺すぞ!』
『フェアじゃなかったぞ。スポーツマンらしいとは言えん。』
『俺は、おまえら人間には想像もできないものを色々見てきた。オリオン座のそばで炎に包まれた攻撃型宇宙船。タンホイザーゲートの近くで、闇の中に輝く C ビームを見た。それら全ての瞬間は時が来れば失われる、雨の中の涙のように。死ぬ時間だ。』 (訳注: C ビームはレーザビームの類を示す、脚本家による造語)

タフィー・ルイス

『ルーイ、この方はドライだ。』

タイレル

『ミルクとクッキーで寝ずに考えたのか?』(訳注:ロイが考えたチェックメイトの手を、セバスチャンがタイレルに言った後)
『 2 倍の明るさで輝く炎は、半分の時間で燃え尽きる……。ロイ、おまえはとても、とても明るく輝いたじゃないか。』

ゾーラ

『あなた本物?』

リオン

『俺の母親…… 母親のことを話せってのか!』
『かゆいところが、どうしても掻けないほど、つらいことはねぇ!』
『起きろ!死ぬ時間だ!』

セバスチャン

『友達を作ったんだ。』

プリス

『私、孤児みたいなものなの』
『「我思う」よ、セバスチャン、「ゆえに我あり」』
『じゃあ、私たちはバカで、死んじゃうのね。』

ガフ

『Lo fa, ne-ko shi-ma, de va-ja blade... ブレードランナー』
『男の仕事を成し遂げましたね!』
『彼女、もう生きられないとは、かわいそうに!それでも、人はみな死ぬでしょう?』(訳注:デッカードの寿命も限られている、すなわちレプリカントである可能性を暗示している。)

9. ユニコーンの重要性とは何か?

映画の終りに、デッカードがレーチェルと共に彼のアパートを離れるとき、彼女は折り紙のユニコーンを蹴飛ばす。 ユニコーンは、ガフがデッカードをからかうために使った一連の折り紙の最後である。 ブライアントのオフィスにおいてデッカードが自分は退職したのだと言い張ったときガフはチキン(訳注:臆病者のこと)の折り紙を作る:『やるのを恐がっているな』。 その後、彼は勃起した男を作る:『彼女に熱くなったな』。 そして最後はユニコーン:『あんたは夢を見ている。彼女と逃げることはできるが、彼女はもう生きられない』 (ガフは基本的に同じことを屋上でデッカードに言っている。) 一つの解釈は、ユニコーンは単にデッカードへのメッセージ『レーチェルをかくまっていたのは知ってますよ。でも彼女は生かしておいてあげましょう。』である。 (ある脚本に基づく)もう一つの解釈は、ガフの長手袋(訳注:挑戦状)であり、彼は二人とも仕留めるつもりであるとする。

ユニコーンは昔から処女性と純潔(純白)の象徴であり、レーチェルの置かれた状況と結び付いている。 伝説では処女だけがユニコーンを捕まえられるとの言い伝えがある。 ユニコーンは死に絶えた。 そしてガフは、レーチェルが生まれながらに限られた寿命を持つので、ユニコーンと同じになると思ったのだろ う。

ユニコーンはテネシー・ウイリアムズ(訳注:『欲望という名の電車』を書いた劇作家)の『ガラスの動物園』で、登場する少女が『他の馬とは異なる』ことの象徴として使われている。 このユニコーンの角は彼女の肉体的ハンデを表しており、それにより彼女は人と会うのを拒んでいた。 最後に、彼女が男性と出会ったとき、二人はダンスを踊り、そして、そのユニコーンを蹴飛ばして角を折ってしまう。 『今、これで他の馬みんなと同じになったわ。』と彼女は言うが、これは彼女が内気を克服し、処女を失ったことを象徴している。

ユニコーンは以下の事柄をも象徴しているのだろう:

BRDC だけの話だが、オリジナル版にはないシーンがある。それは夢の場面であり、デッカードの白いユニコーンの夢を見せるものである。 今やこれによって、ガフはデッカードがユニコーンの夢を見たのを知っていたと主張するのが可能である。 もしガフがデッカードの見る夢を知っていたのなら、デッカード自身もレプリカントだと考えることができ、それでガフはデッカードがユニコーンの夢をみるだろうことを知っていたのだ。 ちょうどデッカードがレーチェルの窓の外の蜘蛛のことを知ったのと同じ方法で。

"The Blade Cuts", Starburst (英国) 1982 年 11 月 51 号

上記より許可なく引用する:

スコット:……君はユニコーンが登場するバージョン[の脚本]を読んだか ね?

マッケンジー:いいえ……

ス:ユニコーンのアイディアは、すごいアイディアだと思うね……

マ:デッカード自身がレプリカントだと、明かに推測できると。

ス:その通り。それは私にとっては、全く論理的なことなんだ。ことに、フィルム・ノワールでやるのなら、そのテーマに徹底的にこだわるべきだ。それだと、主人公の追っている人物が、実は自分自身だったなんてことがありうるのさ……

マ:森の中のユニコーンのシーンは、実際に撮影したのですか?

ス:絶対にね。そのシーンを映画に入れたら、素晴らしい効果をあげたと思う。デッカードは椅子に座っていて、酔っ払っているので、下手なピアノを弾くんだ。ピアノに熱中してきたところで、意識がちょっと脇道に逸れて、ユニコーンが森の中から飛び出してくるショットが入る。それは気づかない程ではないが、さりげないショットなんだ。デッカードにカットが戻ると、そのことに全くなんの反応も示さないで、ただ、そのシーンを続ける。 ここで、ガフというキャラクターが折り紙で表現した全てのアイディアが揃う。 チキン、小さな棒人形。だからユニコーンの折り紙は、ガフがそこにいたことを物語っている。 映画における一つの層では、個人的な思考と記憶について語っているが、では、ガフはどうやってデッカードの個人的な思考でのユニコーンについて知り得たのか?それがデッカードがこんなふうに頭を振った理由なんだ。[これは、デッカードが紙のユニコーンをつまみ上げてから、うなずいたことを指している。]

スコットは、母親といっしょの少女の写真を、ほんの一瞬だけ蘇らせることになったいきさつを話し続け、その後のインタビューにおいて: (訳注:レーチェルがアパートに残していった写真をデッカードが眺めるシーンで写真がクローズアップになったとき、一瞬、写真に映っている木の影がゆらゆらと動く。)

マ:デッカードがレプリカントであることを、もはや示せないことに、失望はありますか?

ス:その皮肉はまだ残っているさ。フランス人には、すぐ分かるんだ!私は、その可能性があることは面白いと思う。

スコット監督は、ユニコーンのシーンを 1982 年劇場公開版に入れようとしたが、プロデューサー達がそのアイディアは『芸術的すぎる』と拒否した。

10. チェスゲームの重要性とは何か?

タイレルとセバスチャンとのチェスゲームには、 1851 年ロンドンでのアンデルセンとキエセリスキーの対戦結果が使われている。 これはチェス史上、最も有名で、すばらしいゲームの一つとされており、『不滅のゲーム』として全世界的に知られている。

不滅のゲームを代数表記で以下に示す。

アンデルセン 対 キエセリスキー(ロンドン 1851 年):

1 e4 e5 2 f4 exf4 3 Bc4 Qh4+ 4 Kf1 b5 5 Bxb5 Nf6 6 Nf3 Qh6 7 d3 Nh5 8 Nh4 Qg5 9 Nf5 c6 10 Rg1 cxb5 11 g4 Nf6 12 h4 Qg6 13 h5 Qg5 14 Qf3 Ng8 15 Bxf4 Qf6 16 Nc3 Bc5 17 Nd5 Qxb2 18 Bd6 Qxa1+ 19 Ke2 Bxg1 20 e5 Na6 21 Nxg7+ Kd8 22 Qf6+ Nxf6 23 Be7 チェックメイト

映画でのチェスボードの駒の並びは、正確には『不滅のゲーム』とは異なっており、さらに、セバスチャンとタイレルのボードの並びも一致していない。

不滅という概念は、次の場面での、タイレルとバティーの対決と明白な関連を持つ。 1 つのレベルではチェスゲームは人間に対するレプリカント達の闘争を表している: 人間はレプリカント達のことを 1 つ 1 つ取り去ってゆくべきポーンと考えている。 レプリカント達(ポーン)は、それぞれ個別に不滅な存在( 1 人のクイーン)になろうと企てている。 もう 1 つのレベルでは、タイレルとセバスチャンの間のゲームは、タイレルに忍び寄るバティを表している。 タイレルはこのチェスゲームで致命的なミスを犯し、そしてバティを説き伏せる試みにも致命的なミスを犯したのだ。

11. ブレードランナーの問題点

筋立て

警察は既にリオンの人相を知っていたとすると、なぜホールデンは VK テストを行う必要があったのか? 原作の小説では、このテストはより重要である。すなわち小説では、人間がそっくりなレプリカントで置き換わってしまうことが実際にありうるとされているのだ。 とはいえ、レプリカント達は即座にその容姿を変えることができるし、写真からは簡単に識別することはできない。 例えばゾーラの入れ墨や、プリスのアライグマのメーキャップの様に。 1980 年 7 月の脚本では、デッカードは『彼らは姿を変えることは出来たが、未来は変えられなかった。』と呟く。 1980 年 12 月の脚本では、デッカードは、ゾーラの『黒髪はカツラで、今はシャワーの横の壁に掛けられている。 彼女は初め、ゾーラ型のネクサスとは見えなかったが今じゃそうでもない。』と言う。

ブライアントは最初デッカードに、 6 匹のレプリカントがいて、 3 匹が男、3 匹が女と言っている。 明かにロイとリオンが男 2 人で、プリスとゾーラが女 2 人である。 ブライアントは『そのうち 1 匹はタイレル・ビルに侵入しようとしたところをフライにしてやった』とも言っているが、性別は特定していない。 そこで 1 人のレプリカント、男か女のどちらかが残る。 デッカードを 6 人目のレプリカントと仮定することもできるが、これに対しては十分な反証がある。 脚本の初期のバージョンでは『メアリー』が 5 番目のレプリカントであり、そして『ホッジ』が 6 番目である。 この脚本でのブライアントのセリフは、シナリオ・ライターによって見落とされてしまった。 ワークプリントにおいては、そのセリフは『 2 匹はフライに』と正確に録音されているが、公開版では、またダメになってしまった。

なぜレプリカントを人間ではないと判別することがそんなに難しいのか? レプリカントは沸騰した、あるいは極低温の液体に、損傷を受けることなく手を入れることができるというのに。 それなら皮膚組織のサンプルでもあれば十分ではないか? たぶんその通りだろうが、しかし、ホールデンはリオンからまともな答えを引き出すことすら出来なかったのだから、ましてや皮膚のサンプルなど取れなかっただろう。

レーチェルが逃げたという通報が、どうやってあんなに早く発せられたのか? そしてタイレルは彼女がそれっきり戻らないと、どうして言えるのか? デッカードがまだナイト・クラブにいるときに、家にいるレーチェルに電話をかけたことを思い出して欲しい。 このときからゾーラを追跡するまでは数時間しか経過しえない。 (ゾーラは何時間、『ヘビから快楽を引き出して』いられたのだろう?) レーチェルが逃げ出し、タイレルが警察に通報し、ブライアントがデッカードに彼女を追うように手配するほどの十分な時間があったのか? 1つの説明として、レーチェルが自分のことをレプリカントだと気づいたときに、タイレルの『実験』は価値を無くしてしまい、タイレルは単にレーチエルを捨てるために、この機会を利用したという見方もある。

ロイはどうしてあれほど簡単にタイレルのオフィスに入れたのか? タイレルはセバスチャンに対し、どんな人物/モノでもエレベータに乗せられる許可を与えるほど、彼を信頼していたのか? セバスチャンが『友達を連れてきました。』と言うまで、タイレルは、セバスチャンといっしょに誰かがリフトに乗っているとは気づかなかった。 かなり初期の脚本では、セバスチャンとチューの二人とも最高のセキュリティ資格を保持していた。

ある初期バージョンの脚本では、タイレルはレプリカントであり、ロイはそのことを、セバスチャンとタイレルが同じ鍵を身につけていたことから気づく。 そのバージョンでは、本物のタイレルは『極低温装置』の中で死んでいた。 その装置のスケッチは "The Blade Runner Sketchbook" で見ることができる。 ロイはレプリカント・タイレルを殺した後で、本物のタイレルが死んで横たわる棺をセバスチャンに見せつけるが、これはセバスチャンの犯したミスの償いをさせるためである。

技術的要素

ノルウェー語の字幕では『すし。別れた妻は俺のことをそう呼んでいた。冷たい魚さ。』を『すし……妻は、俺のことを冷たい魚と呼んでいた。』と翻訳している。 (訳注:便宜上、日本語に翻訳した。)

スウェーデン語の字幕では、ロイの名前を "Beatty" と綴っており、デッカードのライセンス・ナンバーを 260354 から 26354 へ、そして( BRDC において) "C-beams" を "seabeams" と翻訳している。

ノルウェー語の字幕は、デッカードのライセンス番号である 260354 を 26354 と翻訳している。

劇場公開版のドイツ語吹き替えでは(エスパー・マシーンからの)『ハードコピー』を『ソリッド・コピー』と翻訳しているが、 BRDC では『プリントアウト』である。

イタリア語吹き替え版では "C-Beams" を "B-Beams" と翻訳している。 そしてタイレルのセリフ『...そしておまえはとても、とても明るく輝いたじゃないか...』は、『...そしておまえは、自分のろうそくを両端から燃やしてきたのだ...』となる。 レオンの『かゆいところが、どうしても掻けないほど、つらいことはねぇ』は、『恐怖の中で生きることより、つらいことはねぇ』となる。 ガフの『...それでも、人はみな死ぬでしょう?』は、『もし、こいつを生き物と呼べるなら...』となる。

1982 年公開版と BRDC の両方とも、スペイン語への吹き替えが間違っている: "shoulder of Orion" を "shores of Orion" と翻訳している。

デンマークのオリジナル・ビデオでは『宇宙 (off-world) 』が『地下世界 (subterranean) 』として翻訳されている。

日本語のネオンサインの『ゴルフ用品』は、『用』の字が間違っている。その字は縦棒が欠けているので、『月』になってしまっている。 スシ・マスターの最後の言葉は「わかってくださいよ」(”どうぞ、私の立場を理解してください”)であり、その場面で口にするには奇妙な言葉である。 (訳注:別に奇妙な言葉じゃないと編者に伝えたら、次のバージョンではカットすると言ってました。)

バティーの一番最初のショットで、彼が手を握り締めているのが見える。 注意深く見ていると、ショットが変る直前に彼が手をひるがえすときに、手の裏に釘が刺さっているのを見ることができる( Criterion CAV レーザーディスク:フレーム C-07 37124 および 37125 )。 彼が実際に釘を挿す場面は、映画の最後まではない。

それから、同じシーンでロイは(電話ボックスの中で)一人だと思われるのに、彼の肩に、誰かの手を見ることができる。 これは実は、後のタイレルとのシーンから取られており、それの鏡像となっている。(訳注:そのシーンだけ顔が汗で濡れている。)

ガフとデッカードは、ブライアントのオフィスに向かう途中、同じビルの屋上を2度通過する。

VK テストのとき、リオンは『俺の母親…… 母親のことを話せってのか!』と言うが、デッカードがアパートに帰る途中で反復したときのリオンの声は、『俺の母親のことを話してやろうじゃないか!』と言っている。 これはもしかすると、スコット監督が聴衆の記憶をもてあそんでいるのかも知れない。それは、タイレルがデッカードの記憶をもてあそぶのと同じ方法である。

ゾーラの蛇の入れ墨は、エスパー・マシンがズームを止めた後に初めて現れるし、ハードコピーを出力したとき、ゾーラの顔はスクリーン上とは違った角度にある。

デッカードとレーチェルの位置関係は、エレベータを出るときと一致しない。

セバスチャンのアパートから外に見える Million Dollar Movie のネオンサインの文字には変更がある。

カンボジア人の女性が蛇の鱗を電子顕微鏡にかけるとき、彼女はビニール袋からそれを取り出していない。 だからビニール袋の画像が見えるべきではないか。 彼女がデッカードに教えるシリアル・ナンバーは、画像のものと同じではない。 付け加えると、あの画像は蛇の鱗ではなく、雌の大麻の葉である[ 7 章の Scharf の本を見よ]。

デッカードがベン・ハサンの店(蛇業者)に行ったとき、彼らの唇の動きは、会話と合っていない。 デンバー/ダラスのスニーク・レビューでは正されているが、このテイクはどう考えても満足できるものではない。 このミスマッチは妥協の産物である。

ゾーラがガラス板のウィンドウを何枚も割ながら突き抜けて行くとき、とても女優には見えないスタントのシーンが重ねられているので、ゾーラの傷は消滅したり現れたりする。 また彼女はドレス・ルームで履いたハイヒールのブーツではなく、ヒールなしのブーツを履いている。 弾丸が彼女に当る音は、当るのが見えるときと一致しない。 さらに、背負っている血袋の引金となるボールと、チューブを持っているのを見ることができる。

リオンがデッカードを自動車のウィンドウに投げつけたとき、そのウィンドウは既に割れていた。これは不可避なヘマとは言えない。

この映画の全てのバージョンにおいて、出来事は以下の順番で起こる: デッカードがゾーラを殺し、それからチン・タオのボトルを買う。 ガフが彼をブライアントのところへ連れて行く。 そこでデッカードはレーチェルを見かけて、つかまえようとするが、リオンに殴られてしまう。

脚本がメアリー(もう 1 人のレプリカント)を含んでいたときは、物語は次のように進んだ: デッカードがゾーラを殺し、それから傍観しているレーチェルを見つける。 彼はレーチェルを追いかけるが、リオンに殴られてしまう。 レーチェルがリオンを殺した後、デッカードはチン・タオのボトルを買い、そしてガフが近づいて来たときレーチエルに目配せして警告することになる。 ガフは彼をブライアントのところへ連れていき、ブライアントは彼に『あと 4 匹』(ロイ、プリス、メアリー、そしてレーチェル)いると言う。

メアリーを脚本からカットしたとき、問題ができた: ブライアントは『あと 3 匹』(ロイ、プリス、そしてレーチェル)いると言うべきなのだ。 そこでこのシーンを、撮影し直す代りに、移動することにした。 これによってデッカードがチン・タオを買うシーンがレオンの死より先になり、そうすれば『あと4匹』は、ロイ、プリス、(メアリーではなく)リオン、そしてレーチェルとなるのだ。 これで、かろうじてうまく収まることになるが、しかし新たな問題が幾つか生じる。

1) デッカードがブライアントと話しているとき、彼にはリオンとの殴り合いでの傷がついている。殴り合いはまだやっていないのに。
2) リオンと殴り合う前にボトルを買うことになったので、ボトルはレーチェルを追いかけリオンと殴り合う間にもあるべきだ(が、ない)。そのボトルは不思議にも、彼が家に帰りついたときに再び現れる。

この問題は、ブライアントがデッカードに言う言葉、『やつら 4 匹が街をうろついてるぜ』に対する直接的な結果であるが、ただ単に、残った 2 人のことを、 1 人と数えてしまっただけのことである。

プリスの髪は、セバスチャンのアパートのエレベーターから降りるときは乾いているのに、アパートに入ってしまうとまた濡れている。

スピナーが市街の上空に浮かんでいるときのクローズアップのたびに、それを支えるケーブルを見ることができる。 ケーブルは映画の冒頭でガフがデッカードを乗せて離陸するときに最も見えやすい。 そのシーンはスピナーが雨の中を浮かび上がるときのクローズアップであり、フェンダーにつながった線がはっ きり見える。 その後のシーンでは、デッカードが彼の車で座っているところへ、警官のスピナーが下りてきて、職業を尋ねるときに、目を凝らしてみればケーブルを見ることができる。

プリスのアライグマのメークは、わずかに 3 回変わる。

レーチェルのメークアップは、ラブ・シーン中に変わっている。

銃に撃たれたプリスの傷は、弾が当たる前に見ることができる。

デッカードとバティーの対決において、デッカードは銃を返された後で、ふらふらと逃げるが、壁に写るカメラマンと、照明さんと、カメラの影を見ることができる。 (訳注:デッカードが折られた指を、自分で元に戻して絶叫するシーンの後)

バティーがデッカードの腕を支えているとき、デッカードのシャツは袖がまくれていないが、彼が投げ下ろされたときは、そのシャツは袖がまくれている。

12. 雑学/ブレードランナーの人気と特殊性の秘密は?

雑学

デッカードはレプリカントを2体しか廃棄せず、両方とも女性である。

全てのレプリカントはファースト・ネームで呼ばれ、全ての人間はラスト・ネームで呼ばれる。

プリスの製造日はバレンタイン・デーである。

ブライアントの机のランプには、倒れたアフリカスイギュウの傍らに立つハンターを描いた半透明の絵が映っている。

レプリカントのシリアル・ナンバーは、各自の特徴を要約したものである: 例えば、リオンの "N6MAC41717" は、ネクサス6型、男性( Male )、体力 A 、知力 C 、そして製造日 4/17/17 を表している。

リオンの目は VK テストの最中に一瞬わずかに光るが、非常に見つけにくい。 主要な登場人物はグリーンあるいはブルーの目をしている。

ガフの折り紙はデッカードをからかっている:デッカードが仕事を受けないでブライアントのオフィスを去ろうとしたとき、ガフはチキンを作った。 ガフは巨大に勃起した男を作って、デッカードがレーチェルに惹かれたこと、あるいは(最初はやりたくなかった)仕事にのめりこみ、興奮してきたことをからかった。 ガフは、デッカードがリオンの部屋を調査しているのを、単なる『自慰行為』と感じたのかもしれない。 折り紙のユニコーンは、レーチェルあるいはデッカード自身の死すべき運命を、デッカードに思い出させるものだ。

デッカードがレーチェルを VK テストするシーンの途中で、時間の経過を示すためのディゾルブ(訳注:場面を切り替える映像効果の一種。2つの映像をクロス・フェードさせる。)がある。 このディゾルブの間に、デッカードが "Orange body, green legs"(『オレンジ色の体、緑色の足』)と言っているのを聞くことができるが、この言葉は、後にレーチェルがクモを描写するのと同じである。 これは、サブリミナル・メッセージもどきの手法として加えられたのかもしれない。 つまりこれによって、後にレーチェルが同じことを言うとき、観るものの記憶をこっそり呼び覚ますのだ。 レオンがホールデンを撃つ直前に言った言葉を、デッカードがトンネルを通り抜けている時に『間違って』思い 出すのと、これはまったく同じことである。

リオンのアパートの戸棚の引出しに敷いてあった新聞は、デッカードが映画の初めのシーン(訳注:すしバーに入る直前)で読んでいるのと同じ新聞である。

警察のスピナーに書かれている日本語の文字は『警察』である。

デッカードのピアノの上に置かれている楽譜は:

   Concerto in D major for Guitar, Strings and Continuo
   (Orig.Concerto con 2 violini, leuto e basso, RV 93)
   by Antonio Vivaldi
   Second movement : Largo
         heading : Largo (Streicher "Sordine")

ギター・パートの楽譜は、下記のドイツ版あるいは英国版である:

 Publisher : Karl Scheit
             GKM Nr.41
             arranging by Karl Scheit
             (c) Copyright 1978 by Ludwig Doblinger (Bernhard Herzmansky)
             K.G., Wien - Muenchen
             D.15.896a

目を象徴するものが随所に見られる:

  • オープニングのショットにおける目
  • レプリカントの目の光り
  • タイレルは彼の目を拡大してみせる巨大なメガネをしている
  • タイレルのようなメガネは DADoES では放射性降下物の防御に使われている
  • 目は VK テストで使われる
  • チューの Eye World 、そこではチューとリオンの 2 人とも眼球を手にする
  • 『目、目ね... わたしがやるの目だけ』
  • 『チューよ、あんたの作った目で俺が見てきたものを見せてやりたいもんだ!』
  • リオンは彼の指をデッカードの両目に突っ込もうとする
  • プリスがセバスチャンのアパートに入るときのプリスの後ろのライト
  • バティーはセバスチャンのアパートで、ガラス玉の目で遊ぶ
  • バティーは、彼の親指をタイレルの両目に突き刺す
  • プリスは眼球を回して、白目を見せる
  • フクロウの巨大な目がしばしば登場する
  • ブラッドベリー・ビルの屋上の周囲は、大きくて明るいブルーで光る半球型の装飾で囲まれており、それは目玉に似ている。(訳注:デッカードがロイから逃げるため屋上へ上がるときに見える。)
  • "I've SEEN things you people wouldn't believe" (訳注:『俺は、おまえら人間が想像もできないものを色々見てきた』)
  • "Not an easy man to SEE, I guess" (訳注:『そいつに会うのは簡単じゃないんだろう』)
  • "I wanted to SEE you"
  • "He wouldn't SEE me"

レーチェルの写真が一瞬、蘇るとき、サウンドトラックでは子供達が遊んでいる声がする。

レーチェルの髪型:レプリカントのときは、完璧で、固定され、機械的で、冷 たい。人間としているときは、ソフトで、カールしていて、乱れている。

セバスチャンのアパートの向かいでは、リドリー・スコットの妻による映画が 上映されている。**この情報を送ってくれた方、もう一度連絡をください。**

ロイ・バティーの独白は、ルトガー・ハウアーによるアドリブである。

ブレードランナーは 1983 年ヒューゴー賞をベストドラマ部門で受賞している ( E.T. を打ち負かして)。 1992 年世界 SF 会議のメンバーによる投票にお いてブレードランナーは、年度を問わない一番好きな SF 映画賞の第 3 位と なっている(スターウォーズ、 2001 年宇宙の旅に続いて)。

ブレードランナー製作ノート( 1982 年記者会見資料より抜粋)

俳優のルトガー・ハウアー、ブライオン・ジェームズとジェームス・ホンは US グローワーズ冷凍倉庫社の氷柱の中で 2 日間仕事をした。

『ブレードランナー』の撮影チームは、ロサンジェルスの最も美しい建造物の2 ヶ所でも撮影を行った。 ロス・フェリズ地区のエニス・ブラウン邸の正面は、1924 年フランク・ロイド・ライトによって、マヤ文明のブロック様式で設計された。 このビルはライトの西洋建築における実験的作品の中でも記念碑的傑作であり、映画では、ハリソン・フォードの住むアパートの建物、数百階の高さの巨大な複合共同住宅への入口として見ることができる。

1893 年に建てられ、最近は市の安全対策によって取り壊しの危機にあるブラッドベリー・ビルは、『ブレードランナー』によってフィルムの中に保存されている。 1 つのシーンでは、フォードはハウアーをその華麗な建造物まで追ってゆき、最後の土壇場を迎える。 もう1つのシーンでは、工業設計者の J・F・セバスチャン(ウィリアム・J・サンダーソン)が、街をさまようプリス(ダリル・ハンナ)を見つけ、彼のアパートに連れて行く。

ブラッドベリー・ビル( Bradbury Building ) - 304 S. Broadway (Southeast cornet of 3rd & Broadway) 。 普段は中に入ることができないので、入り口のドア通路からは、あの鉄骨の建造物を見ることは難しい。 数年前は、土曜日の昼間はドアを解放していた。 また、ロス市の保存局は、徒歩ツアーのスポンサーをしており、さらに、パーシング・スクエア・ツアーにブラッドベリー・ビルを含めている。詳しくは、(213)-623-CITY に電話すること。 (訳注:上記は改装前の状況。訳者の現地報告: http://www.st.rim.or.jp/~kimu/br/bradbury/

ミリオン・ダラー・シアター( Million Dollar Theater ) - 307 S. Broadway (Southeast cornet of 3rd & Broadway)。 この劇場と、そして、プリスがセパスチャンから走り去ろうとして彼の車のウィンドウを壊してしまうシーンでの大きなネオン・サインは、誰でも見ることができる。 この劇場は、誰にでも開かれており、スペイン語またはスペイン語字幕の映画を上映している。

デッカードが走り抜けるトンネルは、 3 番街か 2 番街にあり、ブラッドベリー・ビルの 1、2 ブロック西にある。

エニス・ブラウン邸( The Ennis-Brown House ) - 2655 Glendower Ave (off Western Ave above Los Feliz Blvd)。 奇数月( 1、3、5、7、9、11 月)の第 2 土曜日にツアーが催される。詳細および予約については、 (213) 660-0607/668-0234 へ。

ダウンタウンを含めた、その他のロケ地:パン・ナムのビル、ここではデッカードとガフが、リオンの泊まっていたホテルの部屋を、手がかりを求めて捜索する。それから旧ロサンジェルス駅(ブライアントのオフィス)。


デッカードが車で通り抜けるのは、多くのハリウッド映画に使われている名物トンネルである。

セバスチャンのアパートは、ある部分は人間、ある部分は機械、そしてある部分は動物といった、異形の生き物でいっぱいである。セバスチャンの作業机の上には、縫いぐるみのユニコーンがある(スクリーン右側、セバスチャンが寝ている間に、散乱した諸道具の上を鼠達がちょろちょろと走り回るとき)。

登場人物にそれぞれ動物が関連づけられる:

  • リオン=カメ
  • ロイ=狼、鳩
  • ゾーラ=蛇
  • レーチェル=蜘
  • タイレル=フクロウ
  • セバスチャン=鼠
  • プリス=アライグマ
  • デッカード=すし(生の魚)、ユニコーン

『アルキル化促進剤としてのエチル・メタン・スルホン酸塩』は突然変異を引き起こす、に始まるバティーとタイレルの議論は、細胞の DNA を変更することに関連する諸問題を、本当に探求している。

ガフがデッカードを連れてゆくとき、コンピュータに表示される離陸手順は、スコット監督の『エイリアン』で母船から脱出ポッドが離脱する場面と同じものである。 VK 測定器の白黒ディスプレイも、『エイリアン』の壁掛けディスプレイと同じ物が使われている。 デッカードが最後に自分のアパートに入るとき、背景に聞こえるハム音は『エイリアン』で使われているのと同じ、特徴あるハム音である。 BR での煙草の煙は、『エイリアン』で使われたものと同じ黄色である。

『エイリアン』と BR のどちらも『人造人間』が登場し、誰が本物の人間なのか/だったのかがあいまいなことに注目しよう。 違いは、アッシュが機械的な内部機構を持つロボットであることだ。(訳注:アッシュは、『エイリアン』 の登場人物の一人。)

E・T・A・ホフマン、 19 世紀のドイツ人の文筆家は "The Automata" を書いた。 そこには女性型のピアノ弾きオートマトンと恋に落ちる男が登場する。 彼は彼女がオートマトンであることを知ったとき、気が狂ってしまう。 彼は正気を取り戻すが、すぐに高いビルから飛び降り自殺をする。『美しい目だ!』と叫びながら。 その目こそが、彼女がオートマトンに違いないと彼に確信させたのである。

宗教的/哲学的相似性

レプリカント達は(天国/宇宙から落ちた)堕天使であり、ロイはルシファーである。

タイレルは(ファラオのような)大ピラミッドに住んでおり、その内部は大聖堂のようである。 これに対してセバスチャンは打ち捨てられたアパートに住んでおり、『ゴミバケツ帽子』を頭にのせている。

タイレルは創造する。彼は創造物を不完全に作り上げる。(創造主は、創造物が自分以上の存在になるのを恐れるがために)創造物に不完全さを組み込む。 創造物がそのことをいったん恨みに思うと、復讐のために創造主の元に戻る。 これは、母蜘蛛を殺してしまう子蜘蛛の話と相似性を持つ。

タイレルの巨大なベッド、台座、そして天蓋は、ローマ法王ヨハネ・パウロ 2 世のベッドをモデルにしている。

ロイ:

『炎の天使たちは舞い降りた、
 大きな雷鳴が彼らの岸のまわりにとどろく、
 オークの火に燃えながら。』

これは、ウイリアム・ブレークの『アメリカ:一つの預言』の一節である。

『火のように天使たちは立ち上がった、そして彼らが立ち上がった時 太い雷鳴が 彼らの岸のまわりにとどろいた、オークの火に対して 憤然と燃えながら』
(訳注:『ブレイク全著作』梅津濟美訳 名古屋大学出版会より)

ロイが最後にタイレルと対決するとき、ロイはタイレルを、彼の『メーカー』そして『バイオ工学の神』と呼ぶ。 相似性の観点から見ると、この映画はレプリカントの寿命と、全ての人間のそれとを比較している。 すなわち 4 年に対して 80 才である(訳注:英語では 4 年 = four years と、80 才 = fourscoreは似た表現となる)。 このシーンは奇妙に反響しあう要素を持つ。もしロイが彼の創造主に、寿命を 4 年と決めたことを非難できるとすれば、なぜ私たちは、私たちの神(信じるひとつを選んだとして)に、誕生の瞬間から死の宣告 の元に置かれることを非難できないのか。 私たちは、神の審判席に座ることができるのか?

人工的な生命体を造り、それに殺されたという点においては、タイレルはフランケンシュタイン博士と同じである。 タイレルとフランケンシュタインは両者とも、彼ら自身の創造物に対して冷酷であり、しかも、虐げられるのは、その創造物であり、創造者ではない。 我々は、ロイと、フランケンシュタインの創造物に対して同情的である。 その理由は、彼らは生来は善良な生きものであり、偏執狂的な社会によってはじき出されて、はじめて暴力的になるからである。 我々の創造物は、創造物自身のことより、我々自身の醜さを問いかける。 しかし、以上の『フランケンシュタイン』の類似性は完全ではない。 それはフランケンシュタイン博士は、彼の創造物に直接殺されるわけではないからだ。

ロイは手のひらに釘を突き刺すが、これはキリストのはりつけの象徴である。

ミルトンの『失楽園』では、サタンは、その名に反して、最も魅力的で興味深いキャラクターである。 ロイは、もちろんキリストとルシファーの両方であるが、重要なのは、我々はまるで意に反して、共感を感じるはずがないと思っているのに、共感するのを強いられることである。 神学的に言えば、『 felix culpa (訳注:ラテン語)』、すなわち我々がこれを通して罪をあがなわれるところの『幸運な堕落』はサタンによって引き起こされるものであるが、これはちょうどデッカードの『幸運な落下』が、ロイを通じて引き起こされたことに相当する。 そのロイはデッカードを落下から救っただけでなく、実は、彼を天国 〜 罪があがなわれた世界 〜 まで引き上げたのである。

バティーが死ぬとき、彼は鳩を放つと同時に苦難から解放される。(レーザーディスクの解説書によると、制作者たちは、雨の降る中へ飛んでくれる鳩を手に入れることができなかったそうだ。)(訳注:鳩が飛ぶシーンだけ青空になる)

ロイの死の後、デッカードはつぶやく:『彼が求めていた答えの全ては、残った我々が求めているのと同じだったんだ。 俺はどこから来たんだ?どこへ向かっている?いつまで生きられるんだ?俺に出来たことは、そこに座って、彼が死んでゆくのを見ていることだけだった。』 "Retrofitting Blade Runner" の中のエッセーによると、この 3 つの疑問は、画家のゴーギャンが自暴自棄になった時期の一つに描いた絵のタイトルである: "Where do we come from? What are we? Where are we going?"

舞台裏

ショーン・ヤング:

『私がハリソンに「キスして、キスして」と言うシーンが好きな人は多いわね。個人的には私の好みじゃないわ。 もし、あなたが誰かにひっつかまれて、部屋じゅう突き飛ばされたらどう思って? 私、全身キズだらけになったわ。 それに、ハリソンったら髭ボウボウで、それが私の顔を引っ掻くのよ。 私には、そんなシーンはどれも、一人の女性が打ちのめされているだけのように思えたの。 そんなことをされた後で、私が演ずるレーチェルは、どうして、彼の部屋に戻っいこうなんて考えたのか、私には理解できなかった。』
『本当にひどい日だったわ。 ハリソンはラブ・シーンを怒ったというか、ふざけたみたいに演じようとしたのよ。 あれじゃ、普通の演技とは言えないわよね。 愛してるって言おうとしているときに、その相手からマジに壁に投げ飛ばされてんのよ。 私はボロボロだった。そのシーンの後で、私は 3 〜 4 週間の休みを取ったの。』
『私が一番好きなシーンは、ハリソンが私のことを「レプリカント」、感情が無いロボットだと言って、それをキッカケに私が泣き出すところ。 そう、あれは本物の涙なの。』
- The Washington Post 1982 年 8 月 14 日

ハリソン・フォード:

彼はまた、リドリー・スコットの未来派カルト・ムービー『ブレードランナー』を好んでいないことさえ認めようとしている。 『俺は捜査をしない捜査官を演じたんだ、』と彼は言う。 『俺にはやることがなくって、ただ突っ立っていて、それからリドリーの設定の通りにあちこち巡って、無駄な努力をしただけなんだ。 ある種の、大勢の人達が、それを楽しんでいるのは知っているよ。そりゃ彼等の権利だろうよ。』
- The Boston Glove 1991 年 7 月 14 日

13. さらなる質問と答え

この章は、映画そのものを検討しても答えが得られない質問を扱っている。 そういった問題には、外部資料から引用したり、理論的に考えられた説明を提示する。

Q :映画の冒頭における目は誰のものか?

A :ストーリーボードによれば、ホールデンの目である。

Q :なぜタイレル・ビルには天井吊り下げファンがあるのか?

A :天井ファンは、 2019 年においても、非常に効率的だからである。 1990 年にロサンジェルス・シアターにおける映画特集『ロサンジェルスにおけるロサンジェルス』の一環として BR が上映されたとき、上映後、リドリー・スコットは、彼の作品のファンの広がりと、その意味するところについて質問された。 間髪を置かず、スコットは答えた:『そうだね、彼らのおかげでクールでいられるよ』(訳注:ファン(扇風機)でクール(すずしい)というジョーク)

Q :ホールデンが VK を行う部屋まで、リオンはどうやって銃を持ち込んだのか? そしてどうやってビルから逃げたのか? ビデオテープに全ての出来事の証拠を残しているし、さらに事件はタイレル・ビルでも上のほうの階で起こったのに。

A :1993 年 2 月に爆破されたときにニュースとなった、 110 階建てのニューヨーク世界貿易センターは、そのとき約 10 万人の人々を収容していた。 様々な記事によると、タイレル・ピラミッドはその 6 〜 7 倍の高さである( 700 階)。 明らかに、ピラミッドの最上階は WTC の 1 階の数倍の面積があるので、基礎部分はさらに莫大な広さに違いない。 加えて、それは 4 つの控え壁に囲まれており、それぞれ WTC より大きな容積を持つに違いない。 以上のことから、タイレルのピラミッドは WTC に比して数 100 倍か、それ以上の広さを持ち、よって 1 千万人もの人々を収容しているに違いないと言うことができる。 この規模の人混みの中で行方をくらますのは容易であろう。 この事に加え、リオンに似た外観をもつ他の人間たちがいるかもしれないので、リオンを発見することは不可能な仕事だ。 しかもタイレル社のセキュリティ管理は以下の理由で不完全であると分かる。 (1) ブライアントはデッカードに、侵入しようとした 1 匹はフライにしたが残りは *逃げた* と言っている。 そして (2) バティーは入り込みタイレルを殺した。

Q :ブリンプからの声は何と言っているのか?

A :『宇宙( off-world )での新しい生活が貴方を待っています。 チャンスと冒険に満ちた黄金の土地に、再び巡ってきた好運。新しい環境、娯楽施設……全て無料です。 貴方のための新しい従者をお使いください、個人的な召使として、疲れを知らぬ労働の手として -- 特別に貴方のご希望を受けて設計された特別注文の遺伝子工学による人間型レプリカントです。 さあ出発です、アメリカのみなさん、チームを組んで行こうではありませんか……』

A : BRDC での追加:『このお知らせは、新世界にアメリカをいざなう、 Shimato Dominguez Corporation がお送りしています。』

Q :なぜタイレルは本物のフクロウを買うお金がないのか?

A : 1981 年 2 月の脚本には、こう書かれている:

デッカード:『これは人工?』
レーチェル:『もちろん違うわ』

たぶんタイレルは、見本としてアニモイド・レプリカントを飼っていて、来客に印象を与えようとしたのだろう。 DADoES の中では、『タイレル社』はそのフクロウをデッカードへの賄賂として渡そうとして(彼には本物だ と言って)嘘をついたことを記しておく。

Q :リオンの部屋にあった写真に写っていた、腕で頭を支えている男は誰か?

A :ロイである。ワークプリントでは、デッカードは『こんにちは、ロイ』と言う。

Q :レーチェルは警察から命を狙われているときに、公衆の面前でリオンを殺した後、どうやって逃げたのか?デッカードがゾーラを殺した後、警察は直後に到着したのに、レーチェルがリオンを殺したときはなぜすぐ捕まえないのか?

A :デッカードはゾーラを人混みの街角の真中で殺した。リオンはデッカードを痛い目に合わせるため、人気(ひとけ)のない場所を選んだのだ。

Q :タイレルはロイに 4 年の寿命を故意に与えているのに、なぜ『我々の能力のベストを尽くして、きみを作ったのだ。』などと言えるのか?

A :たぶんタイレルの言った意味は、我々はその期間だけしか彼らをコントロールできないので、ロイをそれ以上の存在にするリスクを犯せなかった、ということだ。 この説明では、ブライアントが 4 年の寿命が故意に組み込まれていると言ったことを正しいと仮定している。 タイレルは、『 2 倍の明るさで輝く炎は……』とも言うが、これは能力の向上が寿命とのトレード・オフであることを暗示している。 タイレルの最終目的は商業的利益であるので、彼は 4 年の寿命 -- 計画的な陳腐化 -- を利点として用いるこ とによって、バイオ工学上の問題点を利益に転じようとしていたのかもしれない。 セバスチャンが『きみらには僕と同じところがある』と言ったとき、彼は、メトセラ症候群の遺伝的原因の意図的な使用のことを言おうとしていたのかもしれない。

Q :セバスチャンの住んでいるビルには沢山の鳥が飼われているというのに、なぜ本物の動物はとても高価なのか?

A : DADoES での説明はこうだ:稀少価値のある動物と、そうでもない動物がおり、フクロウは絶滅したと推定されている。 (鳩は、その一方で、いつの時代でも沢山いると思われる。) (訳注:ここでの沢山の鳥(鳩)は、ブラッドベリー・ビルにおいてデッカードがロイから逃げる時に出てくる。 ロイが死ぬとき放つ鳩は、その中の 1 羽かも。)

Q :最後の追跡場面の中で、バティーはデッカードを名前で呼ぶ。彼はどうやってデッカードの名前を知ったのか?

A :これは映画の作製上の間違いかもしれないし、あるいはバティーはデッカードを知っているが、デッカードはバティーのことを知らないことを示しているのかもしれない。 デッカード(と、たぶんレーチェル)はレプリカントで、反乱のメンバーだったとの説がある。 彼らはタイレル・ビルに侵入したが捉えられ、一つの実験として、元ブレードランナーおよび、自分を人間の女性だと思っているレプリカントとして再教育された。 その実験は、レプリカントが、かつて知合いだった他のレプリカントを攻撃できるかどうかを試すのが目的である。 この説明はちょっと弱く、受け入れ難い。 それは、タイレル社はデッカードの再教育を行ったのに、彼の名前は変えなかったということになってしまうからだ。(ロイが彼を『スミスさん』と呼ぶのを想像してみよう!) この説は、デッカードとゾーラの対決の場面をもっと面白くする: ゾーラは彼のことを知っていたので、彼がジョークを仕掛けているのかもしれないと不思議に思った。 彼が本気だと分かったとき、彼女は彼を叩きのめした。 さらにブライアントが逃走したレプリカントの人数を間違えたことの説明も、これによって可能になる。 脚本の別のバージョンでは、デッカードは名の知れたブレードランナーでこの場合は、バティーが彼を知っていても不思議はない。 似たような説明としては、デッカードが警官に ID カードを見せて名前を名乗ったとき、リオンがそれを聞き取れる範囲にいた、というものがある。 そして初期の脚本では、バティはその後、デッカードがゾーラを殺したことで、リオンにデッカードを追わせた。

1980 年 1 月 7 日付けのハンプトン・ファンチャーの脚本では、ブライアントはデッカードに、レプリカント達はエスパー・コンピュータに盗聴装置を仕掛けていたようで、システムのセキュリティを復旧するのに、約 1 日はかかるだろうと言う。 その後、セバスチャンのアパートで、バティはプリスとメリーに、レオンとゾラは死に、警察は彼がコンピュータに盗聴装置を仕掛けたのを発見したと言う。 警察の動きをもはやまったくモニターできなくなったと告げるのだ。 これがプリスのセリフ『じゃあ私達はバカで、みんな死ぬのね。』の理由であり、さらに、デッカードがレプリ カント達を追ってくるだろうと彼らが予期している理由である。

Q :デッカードは、指 2 本の関節をはずされた手の、他の 2 本の指で、どうやって屋上からぶら下がっていられたのか?

A1:彼が傷めた手でつかまっていられたのは、もう一方の腕で、縁をつかんでいられた間だけである。 経験豊かなロック・クライマーは、 1 本指で懸垂をすることが可能である。 しかし、雨の中、ずぶ濡れのトレンチ・コートを着て、指 2 本の関節をはずされ、アル中の傾向があり、さらに殺人レプリカントに追われているときに、彼らに同じことができるかどうかは、別問題である。 rec.climbing への投稿によると、この種のスタントには、体力だけでなく、テクニックも必要とされるそうだ。 A2:簡単にできる。彼はレプリカントなのだ[ 14 章を見よ]。

Q :なぜデッカードがレプリカントと言えるのか。彼は体力的にロイ、リオン、ゾーラそしてプリスとは釣り合っていないのに。

A :ブライアントがデッカードに見せるビデオには、それぞれのレプリカントの知力と体力のランクが含まれいる。 全員、体力は『 A 』ランクである。 デッカードが、自分自身を人間と思うように設計されたレプリカントであれば、たぶん平均的な人間の体力に相当する、体力『 B 』として作られるであろう。 レプリカントであるレーチェルが開けようとしたドアを、デッカードは強引に閉めることができたという事から、レーチェルは体力『 C 』であることが推測できる。

Q :バティーの製造年月日は 2016 年の 1 月だから、 2020 年の 1 月まで生きているべきだ。なぜ 2019 年 11 月に死んだのか?

A1:レプリカントの寿命の誤差範囲は、たぶん人間の自然死の場合と同じなのだ。 短い寿命が、能力の向上とのトレード・オフであることが、あらかじめ示唆されていた。 ロイの能力は、タイレルの予測でさえ超越していたことは明らかであり、よって彼が、予定の寿命より若干早く燃え尽きるであろうことを推測することができる。

A2:この物語の初期の頃のバージョンは、 2020 年に設定されていた。しかし、その発音が視力検査と似すぎているとの決定により、変更された。 日付は 2019 年に変更になったが、上記の不整合は残った。(訳注:米国等では、視力が最良の場合 20/20 と表わされるが、その読み方は、2020 年と同じく "twenty twenty" である。)

Q :ガフはデッカードの銃をどうやって得たのか?ずっと彼らを追っていたのか?

A :デッカードは屋上に長い間座っていた。ガフはたぶんデッカードの地上走行車を追い、セバスチャンの死の無線報告を聞いて、何が起こったのかをつなぎ合わせるために歩き回り、そしてデッカードの銃を発見したのだ。

Q :バティーの釘は、デッカードを掴むときに消えてしまう。

A :フレームの下の部分がわずかに削られているので(クライテリオン・ディスクにおいても)釘が見にくくなっている。しかし、 1 コマだが、フレーム C-19 24493 において、それを見ることは可能である。

Q :どの会社/製品のロゴが BR に登場するか?

A :ANACO, Atari, Atriton, Bell, Budweiser, Bulova, Citizen, Coca- Cola, Cuisine Art, Dentyne, Hilton, Jovan, JVC, Koss, Lark, Marlboro, Million Dollar Discount, Mon Hart, Pan Am, Polaroid, RCA, Remy, Schiltz, Shakey's, Toshiba, Star Jewelers, TDK, The Million Dollar Movie, TWA, わかもと

Q :『ブレードランナーの呪い』とは何か?

A : BR にロゴが登場する会社の多くが、映画の公開後に財政的困難に陥っていることに気づいた人がいる。 アタリは 1982 年の家庭用ビデオゲーム市場の 70 %を握っていたが、 1991 年の第 1 四半期には 2 百万ドル以上の損失に直面している。 ベルは 1982 年に独占権を持つ市場を失った。 パンナムは 1991 年に破産保護申請を提出した。 ブレードランナーが公開されてすぐに、コカコーラは『ニュー・フォーミュラー』を発売したが、結果は数百万ドルの損失であった。 興味深いのは、コカコーラ社は、その後ここ 10 年の間に、アメリカの会社として史上最大の成長を遂げていることだ。 Cusinart は 1989 年 7 月に破産保護申請を提出した。

Q :ブレードランナーの続編の予定はあるのか?

A :"Newsday" 1992 年 10 月 6 日版の中で、スコット監督の発言として、以下の引用がある: 『本当に作ってみたいんですよ。私が思うに「ブレードランナー」は、不滅の概念を取り上げて、ハリソン・フォードが演じたキャラクターの正体について非常に面白い提示をしました。 続編は非常に知的な作品になるだろうと思っています。』

``Screen International'' May 5-11 より:

『巨額な製作費がどっさり - リドリー・スコットのブレードランナーの続編も含めていいらしい - Shepperton スタジオ(英国)に向けられている。 そこは、米国の外としては第一流の SFX スタジオを目指して、姿を変えようとしているところだ。』

『グレナダからの談話によると、スコット監督はブレードランナーの続編をたぶんこのスタジオで撮影すると正式に認めたが、撮影の開始日は教えてくれなかった。』

『スコット監督の積極的な関与がなかったのにもかかわらず、ブレードランナーの続編への期待が、ここ数年間、噂されてきた。 Shepperton スタジオでエイリアンを撮ったことがあるスコット監督は、近い将来において SF 映画を作る計画があり、ほとんど全てを、そのロンドンのスタジオにおいて撮るであろうと正式に認めた。』

ブレードランナーの小説の続編に関する情報は、 7 章を見よ。

Q :ブレードランナーのコンピュータ・ゲームはあるか?

A :ある。公式な BR コンピュータ・ゲームは、 1982 年〜 1983 年頃に Commodore 64 用に発売された。 プレーヤはデッカードとなり、電子マップ上のレプリカントを追跡する。 ある場面では、混雑した街中のレプリカントを追いかけ、撃たねばならない。 このゲームの音楽は、バンゲリスによるエンド・タイトルのトラックが Commodore 64 によって演奏されるも のだ。 ``Blade Runner'' という名称に関しての著作権問題は、 CRL (このゲームの製作者たち)が、その音楽に対する権利を取得することで決着した。 これにより彼らは、``バンゲリスの "Blade Runner" の音楽に基づいたゲーム''と呼ぶことを許された。 (訳注:その後、Windows 向けのパソコン・ゲームが登場した。)

Q :デッカードが持っているような銃は、どこから入手できるか?

A :デッカードが使う銃は、オーストリアン・ステアー社製のマンリカと呼ばれるボルト・アクション・ライフルから銃床と銃身を取り去り、レシーバーのみを残したものだ。 ピストル用のグリップは、映像効果のために加えられた。 ステアー社のライフル・アクションは、極めて特徴的なボルト・ハンドルとトリガー・ガードを持ち、事実、使用される独特のレシーバーは、ターゲット・スタイルのセット・トリガー・システム( 2 つのトリガー)を持つ。 (訳注:この部分に関し、林 成輝さん <sige(at)danae.pssys.flab.fujitsu.co.jp> より貴重なご助言をいただきました。 また、日本のガン・マニアの間では、デッカードの銃は、チャーター・アームズ社の小型リボルバ“ブルドッグ” をベースとし、これにステアー社のライフルのレシーバーと銃倉をかぶせたとの味方が強いそうです。 私にはチンプン・カンプンですけど (^^; )

Q :Video Watchdog ( 1993 年 11-12 月号)は、ブレードランナーの異なったバージョンについて多くの情報を含んでいるが、その内容はこの FAQ や、その他の情報と矛盾する。どれが正しいのか?

A :VW の記事は、非常に詳細で信頼できるものだが、沢山のミスや間違いを含んでいる。例えば:

Q :Video Watchdog のワークプリント( WP )に関する記述は正確か?

A :ほとんどの記述は正しいが、全てではない。ある記述にはミスがあり、ある記述は間違っており、ある記述は誤解を招きそうだ。 引用する値打ちがあるものを、この記事で使われているディレクターズ・カットのレーザーディスクにおける、サイド(面)とチャプター番号に従って示す。

1:2DC では、タイレル社に向かう空中シーンが 2 つ追加されている。ホールデンの目のフル・フレーム・ショットは WP にはない。
1:4スピナーが警察署に向けて飛ぶシーンは、両者のプリントで同一だが、ガフがデッカードにシティ・スピークを使って何か言うのが聞こえるところが違う。
1:5折り紙のチキンのクローズアップは両者のフィルムで同じだが、ブライアントのセリフ『老練なブレードランナーが必要なんだ。お前のマジックがね』が欠けている。WP ではブライアントがデッカードに飲み物を注ぐショットも欠けており、これによりデッカードがグラスを置く場面との非連続性を生んでいる。
1:6ブライアントのスクリーンに映らないときのセリフ『こいつがリオン、銀河間ルートの軍用労務者だ。こいつは朝から晩まで 400 ポンドの原子力資材を運ぶことができる[ 4000 ではなく!]こいつを傷つける唯一の方法は殺すことだ。』タイレル社に向かう途中での、他のスピナーの 3 つの短いショットは、この映画の全てのバージョンにある。
1:7レーチエルが『質問してもいいかしら』と言うとき、デッカードはスクリーンに映らない別のセリフがある:『何だい?』
2:1変更あり。バティーのセリフ『では、その J・F・セバスチャンはどこにいるんだ』が WP では欠けている。
2:2このシーンは両者において経過時間は正確に同じだが、エレベータのシーンでレーチエルが『デッカード』と言うのをハッキリと聞くことができる。そしてこれが、デッカードが銃を抜いて、体を回転させて振り向くきっかけとなっている。
2:3WP では、デッカードの 1 本指でのピアノ・ソロをさらに聞くことができる。
2:6WP では、カメラはデッカードがカンボジア人女性のところから離れていくのを追うので、このシーンは約 20 秒長く続く。蛇製造業者との会話は、彼らの唇の動きとピッタリ一致する。
デ:アブドル・ハッサンか?俺は警官だ、アブドル。あんたに聞きたいことがあるんだが。
ハ:(別の言語でしゃべる)
デ:お前は蛇を作ったな、 XB71 だ。誰に売ったか教えるんだ。
ハ:私の作品?そんな上物、買える人、そう多くないよ。
デ:どのくらい多いんだ?
ハ:とっても少ない。
デ:どのくらい少ない?
ハ:たぶん、思ったより、少ないけど、思い出せるより、まだ多いね。
デ:アブドル、俺のダチは……(街の騒音)……約 2 秒で……(さらに街の雑音)

(訳注:よく考えると「唇の動きとピッタリ一致する」かどうかは翻訳したら分からないので、原文を下記に示す。)

D: Abdul Hassan?  I'm a police officer, Abdul.  I've got a couple of questions I wanted to ask you.
H: (Chattering in another language.)
D: You made a snake, XB71.  I want to know who you sold it to.
H: My work?  Not too many could afford such quality.
D: How many?
H: Very few.
D: How few?
H: Perhaps less than I thought but still more than I can remember.
D: Abdul, my friend...(street noise)...about 2 seconds...(more street noise).
2:7ミス・サロメの紹介がより長い:『紳士、淑女の皆様、今宵のお楽しみ、お悦びのために、素晴らしい出し物をご用意してございます。皆様の前の一人の女、そして一匹の蛇。一度は男を堕落させた蛇から、彼女が快楽を引き出すのをご覧下さい。』デッカードがゾーラのドレスから金ピカの飾りをつまみ取るとき、カメラは 3 〜 4 秒クローズアップする[これはスコット監督の映画『ブラック・レイン』の、あるショットと非常に似ている]。ゾーラがドレス・ルームから走り去った後、デッカードがネクタイをゆるめるショットがある。
2:8ここの挿入歌 “If I Didn't Care” は、 DC では “One More Kiss, Dear” に差し替えられている。
3:4WP でのラブ・シーンには、次のような違いがある:(1) レーチエルが『北に行ったらどうかしら』と問いかけたとき、デッカードは "hah" と溜息をつく。 (2) レーチエルが髪を下ろす横顔のシーンの 30 秒間が欠けている。そして (3) レーチェルがピアノの方へ歩み出すときの、バンゲリスの音楽の入り方が全然違う。このシーンは、他の全ての点で一致するので、 WP にだけ現れるこの違いは、音楽だけの都合によるものだろう。
3:6セバスチャンのアパートの『ワイド・ショット』は、両者で同じである。
3:7オモチャ達の囁き声は、同じようにハッキリしていて、同じ音量であるが、最後のショットだけは別で、オモチャがとても騒がしいだけでなく、 DC では完全に欠けている。
4:4追跡シーンの編集と進行ペースはわずかに異なる -- WP では全体として約 20 秒長く進行する。ロイがバス・ルームの壁から頭を突き出したすぐ後に、『痛くないのか?痛いだろ?』と言う。
4:9デッカードのアパートでのシーンは、ほとんどフルに一分間も短い。デッカードはすぐにベッドに向かい、カバーを引きめくる。レーチエルが『信じます』と言った後、 WP では、デッカードがエレベータのドアを開けるシーンにカットを移す。スピナーが警察署へ飛んでいく間に聞けるものと同じ音楽が流れる中、エレベータのドアは大きな音をたてて閉まる。

14. デッカードはレプリカントか?

この問題は BR のファンの間で最も議論を引き起こしている。 BR の異なったバージョンが、それぞれ異なった角度から、この意見を証拠立てている。 1982 年劇場公開版ではデッカードはレプリカントではないが、 BRDC ではレプリカントであると主張することもできるだろう。

決定的な解答はない: リドリー・スコット自身は次のように語っている。 彼は故意にエンディングをあいまいにしたが、彼はまた、この意見を支持する十分な証拠を意図的に入れ込んでおり、そして(彼に関する限り)デッカードはレプリカントである。[ 9 章を見よ。]

(訳注:2000 年 7 月 10 日に英国 Channel 4 Television が放映したドキュメンタリー "ON THE EDGE OF BLADE RUNNER" でも、スコット監督はデッカードがレプリカントだと明言した。)

『賛成』の論拠

  • リドリー・スコットとハリソン・フォードは、デッカードをレプリカントにすることになっていたと語っている。 Details Magazine (米国) 1992 年 9 月号においてデッカードは語る:
『ブレードランナーは気に入っている映画じゃないんだ。リドリーともめたからね。 最大の問題はその結末なんだ。彼は観客にデッカードはレプリカントだと発見させたがった。 僕は、観客には拍手喝采する対象が必要だと、食ってかかった。』
  • 撮影用脚本には、デッカードによる次のようなナレーションがある:『その夜、屋上で俺は知った。 2 人は兄弟だったのだ、ロイ・バティーと俺は!』
  • ガフはデッカードがユニコーンの夢を見ることを知っていた。つまり、ガフはデッカードに移植された夢がなんであるか知っていたのだ。( BRDC のみ)
  • レプリカントは写真に愛着をもつが、これは、彼らの存在しない過去に対し、写真が結び付きを与えてくれるからである。デッカードのアパートは写真でいっぱいで、しかも最近の写真やカラー写真が 1 枚もない。レーチェルは、記憶があるのにもかかわらず、感情のクッションとして写真を必要とした。同様に、デッカードは移植された記憶を持つにもかかわらず、写真を必要としたのだろう。レーチェルはピアノを弾き、デッカードは彼のアパートにピアノを持っている。
  • ガフは彼に『男(人間)の仕事を成し遂げましたね!』と言う。脚本の初期の草案では次が加わる:『しかし、あなたは自分のことを人間だと信じていますか?この辺りじゃ誰が誰やら判かりませんから。』
  • レプリカントだからこそ、デッカードはいくら殴られても死ななかったし、また、指 2 本の関節をはずされても、ビルのはじにしがみついていられた。
  • ブライアントの脅し『お前は警官でないなら、ただの一般人だ』は、デッカードが警察業務のためだけに造られたことをほのめかしているのかもしれない。
  • デッカードがレーチェルに対し、自分は彼女を追跡しないが『でも誰かが追うだろう』と言うとき、彼の目が光る(黄色−オレンジ色)。デッカードは彼女の後ろに立っており、さらに彼には焦点が合っていない。
  • ロイはデッカードの名前を知っていた、まだそれを聞いていないのに。デッカードはロイの宇宙での反乱の一員だったが、警察に捉えられ、残りのレプリカントを狩るために使われたのだと主張する人もいる。この場合、ブライアントはデッカードを逃げた 5 人のレプリカントに含めている。
  • 警察は、 4 人の強力なレプリカントを狩るために、人間を危険にさらさないだろう。特にそのレプリカント達は、その種の危険な仕事をするために設計されているのだから。もちろんデッカードは自分のことを人間だと思いこんでいる必要がある。さもなければ同胞であるレプリカントを狩る気にはならないだろう。
  • レーチェルの VK テストの間で、音声が落されている部分を注意深く聞くと、デッカードが『オレンジ色の体、緑色の足』と言うのを聞くことができる。彼は、それがレーチェルにとって特別な意味があると、どうやって知ったのか?
  • ブライアントは脱走したレプリカントの数を間違えるが、これは彼がうっかりしてデッカードを勘定に入れてしまったためだ。
  • デッカードがどこへ行っても、ガフはついてくるように思える。レプリカントを廃棄する全ての場面で、ほとんど瞬時に現れる。ボスが近くにいるとき、ガフはいつもデッカードと一緒である。これは、ガフが本当のブレードランナーで、デッカードはガフが汚れ仕事をやらせるために使う道具にすぎないことを示している。

『反対』の論拠

  • この映画の最大のポイントは、デッカード(普通の男)に人生の価値を教えることである。すなわち『恐怖の中で生きることはどんな感じか?』。もし主要な登場人物が全部レプリカントだったら、人間とレプリカントとの対比が失われてしまう。
  • レーチェルはユニコーンの夢を移植されており、 BRDC でのデッカードの夢は、彼女の移植情報を見たための結果である。ガフもデッカードと同じ時にレーチエルの移植情報を見ていると思われる。たぶん彼らがタイレル・ビルにいる間のことだ。
  • 同胞であるレプリカントを殺すレプリカントを信頼できるか?なぜ警察はデッカードを信頼したのか?
  • デッカードをレプリカントとすることは、警察とタイレルが共謀していることを暗示することになってしまう。
  • レプリカントは地球上ではお尋ね者であったはずだし、レプリカントに分かれた妻がいるというのも変な話である。
  • デッカードがブレードランナーとして設計されたレプリカントなら、なぜ警察での悪い記憶を与えるのか?彼は忠実で幸福であったという記憶の方が、よりふさわしいと思われる。
  • DADoES においては、デッカードはレプリカントではない。ただしその事を調べるだけのために、別のブレードランナーに自分をテストしてもらっているが。

編集後記

ガフのシティスピークの翻訳を送ってもらったのに、送ってくれた方のアドレスを紛失してしまいました。 もう一度連絡して下さいませんか。 他にもガフのシティスピークを翻訳できる方がいたら、私に連絡してください!

このファイルは主として、私自身のブレードランナーに対する見方、インターネットでの議論、そしてプライベートな電子メールでの意見を元に編集されている。 その情報提供者は多すぎて、ここに名前を挙げられない。そして私にメールを送ってくれた方の全てに返信していたら、その作業はいつまでたっても終らないだろう。

以下の方に特に感謝を捧げる:

       William M. Kolb (bkolb(at)arinc.com)
       Geoff Wright (gmw4432(at)bcstec.ca.boeing.com)
       Peter Merel (pete(at)extro.ucc.su.OZ.AU)
       Michael Kaufman (kaufman(at)delta.eecs.nwu.edu)
       Gareth Euridge (geuridge(at)magnus.acs.ohio-state.edu)
       Steve Griffiths (etlsngs(at)etlxd20.ericsson.se)
       Robert J. Niland (rjn(at)csn.org)
       Paul Moore (pmoore(at)odetics.com)
       Juhana Kouhia (kouhia(at)nic.funet.fi)

私は定期的に映画のニュース・グループを読んでいるが、直接、電子メールでメッセージを頂けたらそちらの方が嬉しい。

メーリング・リストは存在しない。

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-- Murray Chapman                               Zheenl Punczna            --
-- muzzle(at)cs.uq.oz.au                           zhmmyr(at)pf.hd.bm.nh        --
-- University of Queensland                     Havirefvgl bs Dhrrafynaq  --
-- Brisbane, Australia                          Oevfonar, Nhfgenyvn       --

(訳注:上記は 1995 年当時のオリジナルの編者の署名)

(訳注:最後まで読んでくださった方、お疲れさまでした。誤訳、まちがい、追加情報等、ございましたら、きむら <kimu(at)st.rim.or.jp> までご一報をお願いします。)